第四紀火山>活火山>秋田駒ヶ岳

秋田駒ヶ岳火山 Akita - Komagatake Volcano


秋田駒ヶ岳火山のあらまし

有史次代の噴火記録
   1932年噴火
   1970-71年噴火

秋田駒ヶ岳火山の生い立ち

秋田駒ヶ岳火山の岩石・鉱物
   記載岩石学的特徴
   全岩化学組成の特徴
   鉱物化学組成の特徴

引用文献

著者:藤縄明彦(茨城大学)
作成:2005/6
最終更新:2009/1/23


このデータ集を引用する場合,次のように
引用してください.
藤縄明彦・工藤 崇・星住英夫(2006)
詳細火山データ集:安達太良火山.日本の
火山,産総研地質調査総合センター
(https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/
akitakomagatake/index.html).

有史時代の噴火記録 - 1932年噴火 -

前兆:1932年当時,入山する人が少ない上,荒天であったことも災いして,噴火開始のタイミングはよく分かっていません.ですから,何時までが前兆なのかも不明です.
 7月21日朝,国見温泉で人体に感じる地震が認められました.7月24日に荒天をついて横長根(カルデラの南東縁)を通過した登山者が,「曇天で周囲は全く見えないものの,衣服に灰が付着するのを不思議に思った」という証言をしています.

噴火の概要:視界の開けた7月25日に,登山者が新火口を発見しました.北東-南西方向に配列した11個ほどの火口が形成され(図2),ここから火山岩塊・火山礫・火山灰が噴出しました.最大の火口の大きさは,長径約70m,深さ約18mと記録されています.降灰は東方約15kmまで確認されました.火口近傍に落下した岩塊や礫はいずれも,火口周囲を構成している岩石で,熱いマグマ由来の岩塊(本質岩塊)は噴出しなかったようです.つまり,水蒸気爆発の可能性が高いと言えます.噴火は1ヶ月後にはほぼ完全に終息しました.

噴火の影響:死傷者や家屋の損壊などは皆無でした.ただ,国見温泉の泉温は従来36.5℃と,体温並みであったのが,同年8月に45℃に跳ね上がり,以後,おおよそその温度が保たれているようです(現在の源泉温度は約55℃).


図2 1932年噴火により形成された火口群.須藤・石井(1987)より引用

   前をよむ 前を読む 次を読む 次を読む