火山研究解説集:有珠火山 by 産業技術総合研究所・地質調査総合センター

伊達市水道水源における観測結果

このグラフは,2000年3月15日から4月13日までの伊達市の水道水源(TTY4,NGW1,NGW3)における動水位の測定記録です(Matsumoto et al.,2001).井戸の深さは,TTY4が170m,NGW1が181m,NGW3が183mです.

動水位とは,ポンプを作動させたまま測定された水位のことを示します.伊達市の水道水源では,地上にあるタンクの水位が低下するとポンプを作動させて井戸から取水するようになっているため,井戸内の地下水は取水と回復を繰り返しており,そのためグラフはギザギザになっています.

このグラフには,地下水利用適正化調査のための井戸(DT1とDT2)の水位と,気象庁によって観測された地震数もプロットしてあります.

TTY4の水位(一番上)は,ギザギザを繰り返しつつも3月29日ごろから水位が上昇し始め,噴火までの期間に約4m上昇しています.

NGW1の水位(上から二番目)は,ギザギザを繰り返しながら3月28日ごろに一度低下したものの3月29日ごろから上昇しています.噴火までの水位上昇量は約7mです.

NGW3の水位(上から三番目)は,揚水時の水位変動が大きく途切れ途切れの記録になっていますが,3月27日ごろの記録と噴火開始時の記録とを比較すると約11m上昇していることがわかります.噴火開始後は,次第に水位が下がっています.

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