火山研究解説集:有珠火山 by 産業技術総合研究所・地質調査総合センター

工業用水管理用井戸における観測結果

このグラフは,1998年1月から2000年12月までの伊達市に位置する地下水利用適正化調査用の井戸(DT1とDT2,深さはいずれも180m)において観測された水位記録です(Matsumoto et al., 2001).

2000年3月までは北海道通商産業局(当時,現北海道経済産業局)によって,2000年6月までは有珠山総合観測班地下水・温泉観測グループによって,それ以降は産業技術総合研究所によって観測されています(秋田ほか,2000;佐藤ほか,2001;松本,2001).

DT1の水位は,2000年活動の3月28日から上昇を始め,3月30日に自噴を始めました.その間の水位上昇量は約4mで,1998年や1999年の年間の水位変動と比べても明らかに大きいことが分かります.自噴量は毎分400リットル程度でしたが徐々に低下し,同年6月に自噴は止まりました.その後,水位は低下しています.

DT2の水位は,2000年活動の3月28日から上昇を始め,噴火が開始した3月31日まで約1m上昇しました.噴火後からは上昇は停止し,その後次第に水位は低下しました.

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