火山研究解説集:有珠火山 by 産業技術総合研究所・地質調査総合センター

有珠山頂火山ガス中水の同位体比1977-1978年(Matsuo and Suzuki, 1984)

グループIおよびIIは1977年11月採取.グループIIIは1978年5〜10月採取.黒四角は有珠地域の天水,白丸は1978年に火口内の各地で採取された湧水. この報告書には個別のデータの記載がないため,噴気孔の位置や温度等の詳細はよく判りません. Matsuo and Suzuki (1984)によると,グループIは天水の100℃での沸騰,グループIIは天水と岩石の相互作用の結果生じた蒸気であると説明されています. これに対し,この報告書が作成された時代には,島弧マグマ水が特有の同位体組成(δD=-30±10 ‰, δ18O = +8±2 ‰)を持つことが知られていなかったため,グループIIIの同位体組成は,様々な同位体分別反応の結果であると解釈されています.

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