火山研究解説集:有珠火山 by 産業技術総合研究所・地質調査総合センター

有珠火山のマグマ溜まりの進化(東宮,2004; Tomiya and Takahashi, 1995, 2005).

(i) 1663年噴火では,深部マグマ溜まり(深さ約10km)にあった低温マグマ(流紋岩)が直接地表に噴出した.その際,マグマ溜まり下層にあった高温マグマ(玄武岩質流紋岩)が苦鉄質包有物として低温マグマ中に少量取り込まれた.

(ii) 1663年噴火の後,低温マグマと高温マグマが混じって混合マグマ(デイサイト)を生じ,浅部マグマ溜まり(深さ約5km)を形成した.以後の噴火は,深部マグマ溜まりのマグマが浅部マグマ溜まりに注入し,両者が混じり合いながら噴出した.

(iii) 1977年噴火直前,新マグマが出現し,古いマグマの大部分を置き換えた.

以下のページが,このファイルへリンクしています: