火山研究解説集:有珠火山 by 産業技術総合研究所・地質調査総合センター
実験で得られた斜長石組成(アノーサイト成分;An)と温度・圧力の関係(曲線),および歴史時代噴出物中の斜長石の組成と晶出温度範囲(四角) (Tomiya et al., 2010). 1663年噴出物中の斜長石の晶出圧力は,相平衡実験による推定と同様に200〜250MPa前後と求まる. 1663年噴火より後の噴出物については,噴火直前に2つのマグマ(温度にして750℃前後のものと800〜900℃のもの)が混合しているが,このうち温度750℃前後のマグマの圧力は,1663年噴出物と同様に200〜250MPaであると考えられる(高圧タイプ). 一方,温度800〜900℃のマグマの圧力はそれよりも低く(=浅く),およそ100〜150MPa(深さ約4〜6km)と見積もられる(低圧タイプ).
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