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富士山 ________ Fuji San







火山番号 F01
火 山 名 富士山
読 み ふじさん
地 域 本州(富士・伊豆半島)
旧番号(第四紀火山DB)* 62
火山番号 ** F01
凡例記号 ** Q3b
主な活動期 後期更新世 - 完新世
活動年代・最新活動年 *** 古富士火山は約8万年前~約1.7万年前。新富士火山は約1.5万年前以降。
最新の噴火:1707年
火山の型式・構造 複成火山、火砕丘、溶岩流
卓越する岩質 苦鉄質
主な岩石 **** 玄武岩
所 在 地(都道府県) 静岡、山梨:  地理院地図(GSI Maps)
1/20万地勢図(国土地理院) 静岡、甲府
1/5万地形図(国土地理院) 富士山、山中湖、富士宮、御殿場
1/2.5万地形図(国土地理院) 鳴沢、富士山、富士吉田、須走、天母山、印野、御殿場、入山瀬
標 高 剣ヶ峰(けんがみね)、3776 m
北 緯(世界測地系) 35° 21′ 38″ 
東 経(世界測地系) 138° 43′ 38″
気象庁による活火山名 富士山  最近の火山活動状況(富士山)
災害・噴火記録 781年7月 噴火:降灰

800-802年 割れ目噴火:北山腹、 スコリア降下、 溶岩流

864-866年 割れ目噴火:北西山腹、 スコリア降下、 溶岩流(青木ヶ原溶岩流)。4つの割れ目火口(下り山割れ目火口列、石塚火口、長尾山火砕丘群、氷穴割れ目火口列)が活動。噴火開始(864年6月)から約2ヶ月が噴火の最盛期で、大部分の噴出物はこの時に流出。溶岩流は「せの海」を二分して精進湖と西湖を形成。

937年12月18日 割れ目噴火:東山腹、 スコリア降下、 溶岩流(鷹丸尾溶岩流?)

999年 噴火

1033年1月19日 割れ目噴火:北山腹、 スコリア降下、 溶岩流

1083年4月17日 噴火

1435年 割れ目噴火:北山腹、 スコリア降下、 溶岩流(これに対比される噴出物は未確認)

1511年8月 噴火

1707年12月16日から翌1月1日未明まで プリニー式噴火:南東山腹(宝永火口)、 軽石 & スコリア降下
火山の概要・補足事項

歴史時代の噴火記録は、小山(2007)により信頼性が高いとされた10回の噴火のみを採録した。このうち、青木ヶ原溶岩流を流出した貞観噴火(864-866年)、プリニー式噴火で大量の降下物を放出した宝永噴火(1707年)のみが、対応する噴火噴出物が確実に特定されている。それ以外については下記の可能性などが考えられているが、定説ではない。
鷹丸尾溶岩流は、高田ほか(2016、富士火山地質図第2版)は延暦噴火(800-802年)に対比したが、山元ほか(2020、地調研報)は承平噴火(937年)に修正した。また、剣丸尾第1溶岩流をAD937年噴火の可能性が高いとしていたが、これを山元ほか(2020、地調研報)ではAD 999、AD 1033、AD1083年の噴火のいずれかの産物である可能性が大きい、と変更した。そのほか(小山(2007)によれば9世紀から15世紀にかけての間に信頼性の低い6件の噴火記録がある。

紀元前300年頃から続いた100年間に平均2, 3回の頻度で発生していた溶岩流出を伴う噴火活動は、西暦1200年頃以降は明らかに低下した。その後の休止期を挟んだ1707年の爆発的噴火は、それ以前の活動とは明瞭に異なる噴火様式である(富士火山地質図第2版)。

従来、宝永山は宝永噴火(1707年)の際に隆起した古い山体であると考えられてきたが、馬場ほか(2022、火山)により、宝永山は宝永噴火噴出物により構成され、噴火後に変質・変形した火砕丘であることが示された。

1707年の宝永噴火までは山頂火口から“噴煙”。その後は山頂火口内での噴気のみ。1854年の安政東海地震を境に山頂火口における噴気・地熱活動は終息し、山頂南東部(荒巻付近)に移った(野津ほか、2011、富士火山)。S. Gottsche (1883) には「山頂火口縁東側にごくわずかの水蒸気を吹き出す一列の噴気孔がある」との記述がある(山田・矢島、2013、GSJ地質ニュース)。

  
Volcano No. F01
Volcano name Fuji San
Volcano No. ** F01
Geologic code ** Q3b
Main activity period Late Pleistocene - Holocene
Activity period / recent activity *** From 0.1 Ma.
Latest eruption: AD 1707
Volcano type Composite (compound) volcano, Pyroclastic cone, Lava flow
Representative rock type Mafic
Main rock type **** Basalt
Height above sea level 3776 m (Kengamine)
Location (Prefecture) SHIZUOKA, YAMANASHI
1:200,000 map (GSI) SHIZUOKA, KOFU
1:50,000 map (GSI) FUJISAN, YAMANAKAKO, FUJINOMIYA, GOTENBA
1:25,000 map (GSI) NARUSAWA, FUJISAN, FUJI YOSHIDA, SUBASHIRI, ANMOYAMA, INNO, GOTENBA, IRIYAMASE
N. Latitude (WGS84) 35.3606
E. Longitude (WGS84) 138.7272
Active volcano name by JMA Fujisan
Record of eruption & disaster † 781: Eruptive activity: Ash fallout.

800-802: Fissure eruption on the northern flank: Scoria fallout and lava flows.

864-866: Fissure eruption on the north-western flank: Scoria fallout and lava flows (Aokigahara Lava). This lava flow subdivided Lake Seno-umi into two (Lake Shoji and Lake Saiko).

18 Dec 937: Fissure eruption on the northern flank: Scoria fallout and lava flows.

999: Eruptive activity.

19 Jan 1033: Fissure eruption on the northern flank: Scoria fallout and lava flows.

17 Apr 1083: Eruptive activity.

1435: Fissure eruption on the northern flank: Scoria fallout and lava flows (not confirmed by geological survey).

Aug 1511: Eruptive activity.

16 Dec 1707 to 1 Jan 1708: Plinian eruptions on the south-eastern flank (Hoei Crater): Pumice, scoria, lapilli and ash fallout. 
Additional comments -

*:2000年から2013年まで公開されていた「日本の第四紀火山」(産総研の研究情報公開データベース「RIO-DB」、2013年廃止)の火山番号。
**:「日本の火山(第3版)」(2013年発行)に基づく。Based on "Volcanoes of Japan (Third Edition)" issued in May, 2013.
***:最新活動年は2020年末現在。Latest eruption as of the end of AD 2020.
**** :安山岩には玄武岩質安山岩を含む。"Andesite" in this page includes "basaltic andesite". Basaltic andesite, SiO2=52-57 wt.%; Andesite, SiO2=57-63 wt.% (Le Maitre et al., 2002).
† :原則として古文書記録に基づき、地質学的研究で見つかった記録は含まない。Documented records as a principle.

 

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