ASTER高温領域検出システムとは?

ASTER高温領域検出システムとは,地球観測衛星センサ(ASTER)の観測データを自動的に処理することで森林火災や活火山の溶岩などを監視することを目的としたシステムです.

概要

地球観測衛星の登場により,大気や海洋などの地球規模の変化や植生や地形など地表面の情報を均質かつ詳細に得ることが出来るようになってきました. 中でも,アメリカ航空宇宙局(NASA)により打ち上げられた 地球観測衛星Terraに搭載された 日本の観測センサーASTERやNASAのLandsatシリーズは,中分解能衛星センサーに分類され数十km四方の領域を数十メートルから数百メートルの分解能で地表面の様子を捉えることが出来ます. 同一場所の観測頻度は平均して数十日程度になっています. 衛星データは,その時その場所を観測した唯一無二の記録であり,ASTERの場合1999年12月の打ち上げから10年以上の歳月を経て200TB(テラバイト)の観測データを取得しており, 現在でも観測を続けています. このような衛星データを利用するためには,衛星データをアーカイブ(保存,公開)している組織のホームページ等にアクセスして, 観測場所や観測日時などの検索条件を設定して必要な衛星データを検索,ダウンロード(もしくは購入)する必要があります.

今回用いるASTERは熱赤外センサー(Thermal Infrared Radiometer; TIR)を搭載しており,森林火災や火山噴火(溶岩流など)によって高温になっている領域を比較的容易に捉えることが出来ます. すなわち,森林火災や火山噴火を衛星データから自動的に抽出して警告を出すなどの応用が考えられます. しかし,前述したホームページ等による衛星データの検索では温度のような物理量に基づいた検索を行うことが出来ません. そこで,高温の領域があるかないかに関わらず全てのデータを自動的に処理し,高温領域が含まれている衛星データを公開するシステムとして「ASTER高温領域検出システム」を開発しました. このシステムでは,ASTERによる観測が継続される限り自動的に検出結果が追加される予定です.

地図上で検索では,地図を表示した範囲で検出された高温領域を地図上にプロット出来ます. 詳しい使い方とその他の使い方については,使い方のページを参照して下さい.

手法

最初に熱赤外バンドの観測値から,変換式を用いて輝度温度(熱放射から求められる温度)に変換します. ただし,簡易処理をしているため地表面の輝度温度ではなく,大気上端の輝度温度であり,かつ,90m四方の平均値(狭い範囲が局所的に高温になっている場合があり得る)です. すなわち,低温の雲が上空にあった場合は地表面の熱が隠されてしまうため検出されない可能性や,局所的な高温領域を検出できない可能性があります. そして,求められた輝度温度が330K(摂氏 56.85度)以上の領域が90m四方を超えて広がっていた場合,高温領域としてシステムに登録されます.

更新情報

データの更新頻度

新たに観測された場合,可能な限り早く本システムで処理し登録されます. 通常は観測から2〜4日後程度で処理されますが,観測条件や処理状況により4日以上時間がかかる場合もあります.

また,16日周期で地上の同一地点を観測しています. ただし,観測スケジュールの調整により一定ではありません. 加えて,雲が上空にある場合は地表面の温度が隠されてしまうため当システムでは検出されない可能性があります.

現在,2000年の観測まで遡って全てのデータを処理中です(2016年5月10日).

知的所有権・著作権

ASTER高温領域検出システムで公開する情報については政府標準利用規約(第2.0版)に準拠しています. 詳しくは地質調査総合センター(GSJ)利用規約をご覧ください. ただし,ASTER画像についてはPublic Domainとします. 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研;AIST)は利用者が本データを用いて行う一切の行為について何ら責任を負うものではありません. 米国航空宇宙局(NASA)との協議の結果,データ利用の際には以下の記載をお願いしております. Imagery courtesy "NASA /METI /AIST /Japan Spacesystems , and U.S./Japan ASTER Science Team, ASTER"

産総研知財管理番号

H25PRO-1479,2013年3月

問い合わせ

このシステムの内容にご質問がある場合は, aster-hotspot-ml (あっとマーク) aist.go.jp までお問い合わせ下さい.