Unit 3:河川チャネルから氾濫原
深度:48.9〜39.6 m
記載:下位のUnit 2を整合的に覆う砂泥互層からなる.砂泥互層のうち,砂層は厚さ10〜20 cmで細粒〜極細粒砂からなり,逆級化するものが多い.深度約41.0〜45.0 mの間には,厚さ1 m程度の砂層が2枚挟在される.また,砂層は炭質物を含むもの,小さなリップル葉理が発達するもの,上部が液状化しコンボルート葉理のあるものが多い.厚さ1 m程度の砂層は下部に平行葉理およびリップル葉理が発達し,上部ではシルトのリップアップ・クラストを含む塊状の砂層からなる.泥層は粗〜中粒シルトからなり,塊状であることが多く,しばしば炭質物が含まれる.深度41.5 mの泥層には,ヌマコダキガイ類が認められる (中島ほか,2004)が,上位および下位が塊状の泥層であるにも関わらず貝化石を含む泥層だけはスランプ状に乱れており,掘削作業中に上位の孔壁の堆積物がまじったものと推定される.深度45.4〜46.3 mには,泥炭層が認められる.木片およびヌマコダキガイ類の貝殻片から,それぞれ9,660±40 yrBP (深度:43.2 m),8180±40 yrBP (深度41.5 m)の放射性炭素年代値が得られている.後者の年代値は,上に記述したように孔壁の落下物の可能性が高いことから,堆積年代値としては採用しない
解釈:挟在される多くの砂層は逆級化しており,洪水起源の自然堤防の堆積物であると考えられる (伊勢屋・増田,1985増田・伊勢屋,1985).一方泥炭層は氾濫原や塩水湿地などにしばしば認められるとされる (Dalrymple,1992; Collinson, 1996).厚い砂層はほとんど下位を削り込まないが,シルトのリップアップ・クラストを含んでいたり,トラクションおよびサスペンジョンから堆積した特徴を示すことから,クレバススプレー堆積物 (Galloway,1981; Reading and Collinson, 1996)もしくはチャネル充填堆積物の可能性がある.これらの事実から,Unit 3は河川の周辺の自然堤防から氾濫原の堆積物であることが示唆される.