堆積相C:蛇行河川チャネル〜氾濫原堆積物
深度:58.0〜34.5m
記載:礫まじり砂層(深度58.0〜52.1m)と砂泥互層(深度52.1〜34.5m)から構成される.堆積相Cは堆積相Bに侵食面を介して累重する.礫まじり砂層は,中粒砂から極細粒砂に上方細粒化する砂層から構成されており,層厚が10cm以下の細礫層を挟在する.礫まじり砂層には平行葉理,斜行層理,コンボリューションが認められる.砂泥互層は中粒〜細粒砂層と泥炭質なシルト層から構成されている.砂層の下面は明瞭であるのに対し,その上面は漸移的である.深度48.1〜45.0mの砂層にみられる堆積構造は下位から,セット高が20cmの斜行層理,平行層理,そして,セット高が1cm以下のリップル葉理から構成されるクライミング・リップル層理へと変化する.泥炭質なシルトは植物根を多く含み,深度42.7〜41.3mと37.7〜37.0mにおいて,層厚が5mm以下の極細粒砂と極粗粒シルトから構成される平行葉理を5mm以下の間隔でリズミカルに挟在する.珪藻化石は深度42.07mと36.96mから採取され,Cymbella spp.とFragilaria spp.を多産する.本堆積相は11090±100〜9130±40 yr BPの放射性炭素年代値を有する.
解釈:礫まじり砂層や砂層から泥炭質なシルト層へと上方細粒化する堆積物サクセションは,蛇行河川におけるポイントバーの側方付加堆積物に特徴的である(Visher, 1965; Miall, 1992).また,砂層に認められるコンボリューションは急速に堆積した河川チャネル堆積物に特徴的な変形構造である(Miall, 1992).泥炭質なシルト層は,植物根と淡水性付着生種であるCymbella spp.とFragilaria spp.(Round et al., 1990)を特徴的に含む.以上のことから,本堆積相は淡水性の蛇行河川チャネルから氾濫原の堆積物と解釈できる.深度48.1〜45.0mの砂層にみられる堆積構造とそのセット高の変化は,河川チャネルの流路の埋積によって水深が浅くなり,流速が小さくなったことを反映していると考えられる(Visher, 1965; Miall, 1977; Miall, 1985; Miall, 1992).