| Unit5:泥層〜砂泥細互層 深度:41.5〜35.6m 記載:泥炭質で細粒シルトもしくは粘土からなる泥層 (下部: 41.5〜38.8 m)から,リップル葉理やチューブ状の形態を持つ生痕 (以下チューブ状生痕)を含むようになり,砂層と泥層が厚さ2〜3 cm程度で細かく繰り返す互層 (砂泥細互層) (上部: 38.8〜35.6 m)へと上方粗粒化する. 下部の泥層は,塊状で炭質物や植物根などを含むか,泥炭質の細粒シルトもしくは粘土からなる. 上部の砂泥細互層は,リズミカルな互層で,下位ほど泥層が卓越し,上位になるにしたがってチューブ状生痕が多くなるとともに,リップル葉理を含む薄い砂層を多く挟在する.さらに上位になるほど砂層への貝化石片の混在が多くなってくる.リップル葉理を含む砂層は層厚1〜2 cmで,深度38〜37 mに特によく卓越する.生痕は直径1〜2 cm程度のチューブ状で内部に塊状の砂を充填しているものと,径2〜3 cmで充填する砂に縞状の葉理が認められるものとがある.前者はリップル葉理の卓越する区間より下位,後者は同区間より上位で良く認められる. チューブ状生痕に落ち込んだ貝化石片の放射性炭素年代は,8,900±40 yrBPを示す. 解釈:下部の炭質物や植物根を含む泥層は,氾濫原〜塩水湿地の環境が推測されるが,上位は海成層に直接覆われるため,氾濫原よりは塩水湿地の可能性が高い.上部の砂層と泥層のリズミカルな互層は潮汐の影響で形成された干潟 (泥質干潟〜砂泥質干潟)環境を示していると考えられる (Reineck and Singh, 1980). | ||