火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)


岩石の帯磁率測定結果

採取された42個の岩石試料について密度・帯磁率を測定した結果です.

地質区分と岩石物性との間には顕著な関係が認められます.矢筈岳溶岩および稲村岳溶岩はいずれも1.8×10-3emu/cm3程度の高い岩石帯磁率を有するのに対し,硫黄岳溶岩は0.7×10-3emu/cm3程度の低い帯磁率が得られています.

また,岩石密度については,磁性の高い前者の溶岩で2.4~2.6g/cm3の高い密度が,磁性の弱い後者の溶岩で2.2g/cm3程度の低い密度が得られています.

上記2種の中間的物性を示す岩石として長浜溶岩が挙げられます.

馬場(1978)の表6.2.1を引用.