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噴火イベントの認定基準

噴火イベントを1つ2つと数えるのは容易ではありません.例えば,桜島のように何年にもわたって噴火を続けている火山の場合など,噴火イベント区分が容易ではない例が多々あります.そこで,1つ1つの噴火イベントを区分・認定するためには,一定の基準が必要となります.本データ集では以下の基準を用いて,噴火イベントの区分・認定を行っています.

1. 詳細な日時が判明している噴火(文書記録が残されている噴火)の場合,半年以上の噴火休止期を境に噴火イベントを区分する.

2. 詳細な日時が判明していない噴火(文書記録が残されておらず,地質学的記録のみによって認識される噴火)の場合,噴火堆積物の間に噴火休止を示すような堆積物(土壌など)がある場合,それを境に噴火イベントを区分する.

3. 同じ給源で同様な噴火年代ではあるが,異なる堆積物の名称がつけられており,それらの対比がつけられていない場合は,それぞれを別々の噴火イベントで堆積したと見なし,噴火イベントを区分する.

4. 同じ火山の同時期の噴火であっても,給源位置が明らかに異なる場合は,別々の噴火イベントと見なし,噴火イベントを区分する(例えば,岩手山における西岩手と東岩手の同時期噴火や,雌阿寒岳のポンマチネシリと中マチネシリの同時噴火など).ただし,割れ目噴火の場合は区分しない(例えば伊豆大島1986年噴火など).

5. 文書記録により(気象庁活火山総覧などによる)「噴煙活動」と記述されたものについては,噴火イベントとして認定しない.ただし,「噴煙活動」であっても固形物が火口から放出された場合(「降灰」や「噴石」の記録がある場合)には,は噴火イベントとして認定する.また,「黒色噴煙」,「灰色噴煙」あるいは「有色噴煙」という記録のように,噴煙中に固形物が含まれていると考えられるものについても噴火イベントとして認定する.

 このデータ集には「噴火イベント」に加えて,「山体崩壊イベント」と海底火山における「海水変色イベント」も収録しています.これらのイベントはしばしば噴火現象に伴って発生し,間接的に噴火現象を指し示すことがあります.したがって,これらのイベントの情報を「噴火イベント」に準じるものとして収録しています.なお,一部の火山を除き原則として「海水変色イベント」は,主な火口が海底に存在する火山についてのみ収録しています.「海水変色イベント」の区分も上記1の噴火イベントの区分法に従います.また,「泥流発生イベント」については,噴火に関連して発生したものについてのみ採録しています.


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