| 1998年以前の地震活動 |
1969年に東北大学により,岩手火山に対する火山性地震の初めての観測が,極短期間であるが実施された(鈴木ほか,1970).その後,1981年から高感度地震観測が東北大学により開始された.1994年には山麓2箇所での孔井を用いた地震・地殻変動観測により観測態勢が強化された.その後,1995年9月15日には初めて継続時間45分に及ぶ火山性微動が観測された.1995年9月から1996年5月末までは,薬師岳東山腹約10km深での低周波地震が主な地震活動であったが,1996年6月〜1997年12月末にかけて薬師岳山頂直下約2km深で高周波地震が発生するようになった.その後,1997年12月29日からは,南西山腹(鬼ヶ城からその南麓)の深さ2-4km付近で高周波地震や火山性微動が発生するようになった. このような活動頻度は低いながらも,東部から西部へ位置を変えてゆく地震活動の推移は,1995年以降深所から浅所に地震を引き起こしながら深所から浅所へ徐々に上昇してきたマグマが,1997年12月27日以降岩手山西方へ割れ目を広げるように貫入していった過程を観測したものと考えられており,1998年3月27日以降岩手山西部での地震活動が活発化したことから,岩手山西部地域での噴火活動の開始が危惧された(浜口,2005). |
![]() 図1.1995年9月から1998年5月の地震活動の推移 浜口(2005)より引用
白丸;低周波地震,黒丸;高周波地震 岩手火山東部での低周波地震活動が先行し(上図,A),その後薬師岳直下で高周波地震が発生し始める(B),その後,低周波地震活動は休止し,高周波地震の震源が鬼ヶ城から大地獄谷付近(C),さらにその西部へ(D)と広がっていく.
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