片倉沢溶岩流(KZ)は,男女岳北東1km付近から,片倉岳,笹森山間の谷地形に沿って,北西方向へ流下した溶岩流です.表面微地形の保存が良く,上面両側に溶岩堤防が認められます(写真).両側断面で確認できる最大層厚は7mで,層厚3m程度のフローユニットが2枚確認できます.黒色緻密な溶岩で,斜長石巨斑晶とカンラン石が肉眼でも見えます.赤倉沢で笹森火山噴出物と赤倉沢火砕流を,片倉沢では片倉岳火砕丘と赤倉沢火砕流をそれぞれ被覆しているのが確認できます.また,八合目小屋〜焼森登山道沿いの標高1350m付近で,北部第2火砕丘(HO2)由来の転動堆積物を被覆する一方で,東麓ではHO2由来の崖錐・転動堆積物に被覆されています.層序関係と構成岩石の岩石学的特徴の類似性から,この溶岩流はHO2およびAK-6と同時期に噴出したものと考えられます.従って,形成時期はAK-6の噴出した7200-7100年前頃と思われます.