2026/6/12
 点群PNGはインターネット上での高速利用のために考案され,高い圧縮効率が最大の特徴であり,ある程度位置精度を落として利用することも想定していました.一方,点群PNGは位置精度や座標系を維持したまま作成することも可能であり,このため,肥大化しがちなLASファイルの軽量化フォーマットとしての利用も期待できます.このことを検討するために,元の平面直角座標系を維持したままLASと点群PNGの相互変換を行うプログラム「LAS-点群PNGコンバーター」を開発して,簡単な変換テストを行いました.

方法


 データソースは静岡県が公開する以下を利用しました.  これらから大室山周辺の100ファイルを選んでソースファイルセットとしました.  LASファイルとLAZファイルの変換はLAStoolsのlaszipを使用しました.
 LASファイルと点群PNGファイルの変換は,Node.js環境で動作するコマンドラインプログラム「LAS-点群PNGコンバーター」を作成して行いました.  LASから点群PNGへの変換では,以下の変換オプションを試しました.  実行環境は13th Gen Intel(R) Core(TM), i9-13900KF (3.00 GHz),RAM128GBです.

結果


 LAS, LAZ, 点群PNG(WebP形式)のファイルサイズ比較
フィルフォーマットファイルサイズLASに対する割合
LAS(ソースファイル)45.6GB
LAZ10.4GB22.8% (約4.4分の1)
点群PNGintensity有り,RGB各16bit, mm単位10.2GB22.4% (約4.5分の1)
intensity有り,RGB各8bit, mm単位10.2GB22.4% (約4.5分の1)
intensity無し,RGB各8bit, mm単位7.96GB17.5% (約5.7分の1)
intensity無し,RGB各8bit, cm単位7.35GB16.1% (約6.2分の1)
 LAZと点群PNGとの変換時間の比較
 ※点群PNGは最も情報量が多いオプション(intensityあり ,RGB各16ビット,mm単位)
処理フ変換時間
LAS → LAZ330秒
LAZ → LAS486秒
LAS → 点群PNG907秒
点群PNG → LAS941秒

まとめ


 点群PNGへの変換時に,ソースファイルに最も近い設定(intensityあり,RGB各16ビット,位置分解能1mm)で出力した場合,1/6近くまで圧縮でき,さらにintensityの省略やRGBの8ビット化,位置精度のcm化を行えれば最大でLASの約4.5分の1程度にまで圧縮できることがわかりました.この圧縮率はLAZとほぼ同程度です
 一方,変換速度はLAZ(laszip使用)に比べて3倍近く遅くなっています.変換速度が大きく異なるのは,LlaszipがC++で記述されてコンパイルされたものであるのに対し,LAS-点群PNGコンバーターがJavaScriptで記述されたスクリプトであること,またCPU並列処理を導入していないことが原因と考えられます.
 圧縮率でLAZに劣ることはなく,また,変換速度は今後の点群PNG関連ツールの本格的な開発で改善できるので,LASの圧縮用途でも点群PNGの利用が期待できます.