1.磁化率(または帯磁率)
岩石に含まれる強磁性鉱物にはいくつかの種類がありマグネタイトやピロタイトなどは非常に良く知られた鉱物です.これらは外部より加えられた磁場 (H) に対し磁化 (J) を発生します.このときの比例常数 (k) を磁化率と呼びます(k = J / H) .通常は地球磁場程度の弱い磁場に対する値(厳密には初期磁化率)を磁化率と呼んでいます.
2.残留磁化
岩石に含まれる強磁性鉱物には岩石生成以来多くの磁化が蓄積されています.これらは非常に安定したものから不安定なものまであり,これらの全てのベクトル和が自然残留磁化(NRM)と呼ばれています.
3.Qn比
残留磁化と現在の地球磁場による誘導磁化 (kH) の比で表されます.すなわち,
Qn=自然残留磁化/誘導磁化
4.キュリ−温度
岩石に含まれる強磁性鉱物に強い磁場をかけ真空中で温度を上げていくと鉱物の種類により磁化を消滅する固有の温度がみられます.この温度から強磁性鉱物の種類を同定することが可能です.
5.乾燥密度
岩石を構成する造岩鉱物間に存在する空隙を充填する液体を排除したときの岩石の重量をWd,その容積(体積)をVbとしたときの密度,r (dry) = Wd / Vb (kg/m3) で表されます.これら空隙を充填する液体を排除する方法で,60〜110℃で強制乾燥させた場合,一般に強制乾燥密度と云い,ここではこれに準ずる方法を採用しています.
6.湿潤密度
造岩鉱物間に存在する空隙に液体(ここでは水)を充填したときの重量をWwとしたときの密度,r (wet) = Ww / Vb (kg/m3) で表されます.より強力な方法で空隙に液体を完全に浸透させた場合,強制湿潤密度と言いここではこれに準ずる方法を採用しています.
7.孔隙率
強制湿潤重量と強制乾燥重量の差から空隙容積(体積)Vpを算出し,これを全容積(体積)Vbとの比(百分率)で表したものです.F = 100・Vp / Vb (%)
8.超音波速度
超音波周波数領域での波の伝わる早さ.一般に地震波速度(P波速度)と一致します.