{"ok":true,"version":"1.1.0","license":"https://www.gsj.jp/license/license.html","attribution":"出典：産業技術総合研究所 地質調査総合センター「GSJ 地質図幅凡例データセット」","lang":"ja","type":"LegendUnit","id":"m589_u027","@id":"https://gbank.gsj.jp/ld/resource/zfk/units/m589_u027","geom":{"uri":"https://gbank.gsj.jp/ld/resource/zfk/units/m589_u027/geom","geojson_url":"https://cdn.gsj.jp/ld/zfk/units_geojson/m589_u027.geojson","centroid":{"lat":34.107155,"lon":135.185505,"epsg":4326},"bbox":[135.074803,34.076876,135.24722,34.169401],"color":"#b3a36f"},"map":{"type":"LegendMap","map_id":589,"@id":"https://gbank.gsj.jp/ld/resource/zfk/maps/m589","sheet_code":"G50_11_088","series":"5万分の1地質図幅","title_ja":"海南","title_en":null,"author":["平山健","田中啓策"],"authors":[{"name_display":"平山健","name_ja":"平山健","name_en":"Ken HIRAYAMA","name_alt":["Ken HIRAYAMA"]},{"name_display":"田中啓策","name_ja":"田中啓策","name_en":"Keisaku TANAKA","name_alt":["Keisaku 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id=\"m589_u030_cls\"></span><p>本岩石は図幅地域の北半部に広く分布し，南側は有田川に沿う北傾の断層によって古生界と境されている．構成岩類は北部では結晶片岩類であり，中部・南部では准片岩および千枚岩類が多く，南限となっている断層の近くでは南側の変成作用をほとんど受けていない古生界と差異のない岩類も含まれている．その間の変成度の変化は漸移し，断層などによって変成度が急激に変化するところは見られない．この地域の変成岩類は，化石によって時代の決定がされていないが，この地域の南部を構成する古生界に岩質が漸移するものであり，したがって古生界の変成相と考えられる．</p><p>北部，主として海南市以北の地域を構成する岩石は緑色片岩・黒色片岩を主とする．海南市の北側にN80°Wの方向に断層が推定され，この地域は2地区に分かれている．断層の北側のものは東隣の動木図幅地域内では黒色片岩・黒色千枚岩のなかに薄い片状砂岩層が数多く介在しているのを特徴とし，断層の南側のものと較べてその岩質は異なっているが，本図幅地域内ではそのような特徴はなく，断層の両側の地区の岩質は類似している．海南市の北側の丘陵性の山地には片状砂岩の薄層が見られ，また海南市の南東部には僅かに石英片岩が挟有されている．片理はE-Wに近い走向を示し，一般に南へ傾斜する．</p><p>緑色片岩は陽起石緑簾石曹長石片岩・緑簾石緑泥石方解石曹長石片岩・緑簾石普通角閃石曹長石片岩などであって，角閃石の一部が藍閃石に変化したものも局部的に見られる．黒色片岩は炭質物・絹雲母・曹長石・石英などからなっている．片状を呈する砂岩は縞状構造が発達し，石墨・石英・曹長石・絹雲母などからなり，緑泥石・方解石・リューコクシンなどを含み，砕残鉱物として石英・斜長石・ジルコン・チタン石・緑簾石などが残存している．この地域で見られる片状砂岩には完全な砂岩よりも粘板岩質の砂岩から変ったと思われるものが多く，炭質物と絹雲母の縞状を呈するなかに石英・斜長石などが斑状に散在し，それらの周囲をとりまくように絹雲母・炭質物が生成している．石英片岩はおもに絹雲母石英片岩で，局部的に燐灰石・緑泥石・緑簾石・赤鉄鉱・紅簾石・柘榴石・藍閃石などを含む．赤鉄鉱を多くもった部分はやや赤色を呈する．以上の岩石は走向の方向にも移化しあい，傾斜の方向にも互に重なりあって存在し，例えば緑色片岩と黒色片岩との中間の性質をもつものや，黒色片岩と片状砂岩との中間の性質をもつものが多い．それは以上の岩石が塩基性熔岩および同火山砕屑岩・泥質岩・砂質岩・珪質岩を源岩とするものであって，源岩にこれらの中間の性質をもっていたものがあったためであろう．</p><p>中央部，主として下津町以北の地域を構成する岩石は黒色千枚岩・緑色准片岩を主とし，時に緑色片岩・黒色片岩・石英片岩を挟有し，また下津町の南部と北部の黒色千枚岩の地域には結晶質石灰岩が挟まれている．この地域は北部の地域とともに黒色片岩・黒色千枚岩の分布が広く，南部（下津以南の地域）に較べてその岩質が相当異なっている．この地域の岩類はE-Wの走向で，北方では南傾，南方では北傾している．黒色千枚岩は細かい炭質物・絹雲母・曹長石・石英で構成され，そのなかに石英・斜長石のやや大形の結晶が散在する．片理は局部的に彎曲し，波状を呈し，また細かい褶曲を示すのがしばしば見られる．緑色准片岩は片状輝緑凝灰岩ともいうべき岩石で，緑簾石・陽起石・緑泥石・曹長石などの微細な結晶からなっており，これらの間に輝石や斜長石のやや大形の破片を含んでいる．海南市南方藤白坂の途中や塩津東方の海岸線に露出するものの一部は，微細な陽起石・炭質物・緑簾石の並行配列で片理が形成されたもので，泥質岩と均質な凝灰岩とが混っている部分が低度の変成作用を蒙ったものである．仁義村赤石越のものには無色の繊維状角閃石が片理の方向に並列し，その間にやや大形の粒状の単斜輝石が非常に多量に散在していて，変成作用はやや進んでいるようである．またこの岩石中のあるものには片理に平行に石英・曹長石から構成された帯状部やレンズ状部がある．この岩石は凝灰岩から変成されたものと考えられるが，なお疑問がある．加茂村大窪南方のものや大崎町弁天島北方の対岸，宮原村蕪板などのものは無色または淡緑色の陽起石の微細な結晶からなり，微細な緑簾石の結晶の集合が散在している．時にレンズ状の曹長石・石英・方解石の集合部がパッチ状に見られる．岩石はやや塊状で凝灰岩から変成されたものである．大崎村ツブネ鼻のものは変成度が高い緑色片岩で，主成分鉱物は緑簾石・陽起石・緑泥石であるが，部分的には双晶の見られる曹長石の大形の破片や粒状の角閃石・単斜輝石・斜黝簾石が見られる．それらの結晶は包有物が全く見られず，きわめて清澄である．緑簾石には輝石から変化したものも見られ，陽起石は部分的に藍閃石様の多色性を呈する．仁義村曽根田北方の准片岩には緑泥石に伴なってスティルプノメレンの針状，柱状の結晶が見られる．石英片岩は北部地域に存在するものと肉眼的には区別することが困難なものが多いが，一般に粒度が細かく，再結晶作用は進んでいない．沖の島北部の緑色准片岩中の石英片岩の薄層には，紅簾石が多量に含まれていて美しい紅色を呈している．岩石の再結晶度は低く，構成する石英粒は微細であるが，片理の方向に著しく伸びており，結晶軸配列の方向性が非常に強い．紅簾石の結晶はきわめて微細で，片理の方向に平行に集合して縞状に配列されている．この岩石はそのほか絹雲母・磁鉄鉱などを伴なっている．</p><p>南部，下津町以南で南限の断層までの地域を構成する岩石は大部分緑色准片岩であって，その間に少量の黒色千枚岩・黒色片岩・珪岩を挟有している．この地域の岩層の片理の走向は大体においてE-Wで北に傾斜しているが，その角度は変化が著しく40～80°である．緑色准片岩は片状輝緑凝灰岩ともいうべき岩石で，外見上千枚岩のように片理によって剝げることはないが，かすかに片理の見られる細粒の岩石が多く，暗赤紫色の部分と互層することもあり，また紫灰色の角礫状の包有物（径5cm以下）をもつものもある．成分鉱物は前記中央部地域のものと類似しているが，南限の断層に近い部分のものや，前記角礫を含むものには原岩がガラス質凝炭岩であったことを示す構造がそのまま残っている．この地域には北部・中央部両地域よりも塩基性火成岩が多く存在し，それと岩質的に区別のつきがたい部分があり，また互に移化する部分もあると思われるので，地質図上に両者の分布範囲を正確に塗色することが困難な部分も多い．</p><p>この地域の南東隅に近い生石村丹生東方のものはやや紺青の色を帯び，含まれている角閃石は陽起石質または藍閃石質となり，特徴のある多色性を示し，いずれも柱状の細い結晶となっている．片理に平行なレンズ状の石英粒の集合部が多く見られ，そこには聚片双晶の見られる斜長石破片や方解石が伴なわれている．その他の部分は微細な緑簾石・角閃石・炭質物の集合体であって，角閃石などと炭質物の配列とが片理を構成する主要因である．同村下六川・田殿村田口北方などに見られるやや塊状の緑色岩はガラス質の凝灰岩の性質をそのまま残している．この岩石は塊状の塩基性火成岩体に接している．成分鉱物として直径0.1mm内外の粒状の単斜輝石が単独または時に集合して散在し，陽起石の針状結晶を有し，曹長石・緑簾石の結晶も見え，緑泥石の他形結晶も見られる．そのなかにはペンニナイトに変化しているものも多い．斜長石は全く残っていない．田口北方のものでは凝灰質岩の組織が微細な結晶片岩構造へ移化する途中の段階を，鏡下に見ることができる．生石村釜中に見られる同様な凝灰岩の組織を残すものには径1～4cmの灰色の角礫を含み，この角礫は玄武岩質の火成岩と思われるもので，粒状の普通輝石・緑泥石・ペンニナイトに変質した橄欖石を斑晶とし，石基は褐色の繊維状の鉱物で構成されている．かすかに斜長石の仮像を思わせる部分が見られる．石基を構成する鉱物はきわめて微細でパンペリヤイト（Pumpellyite）様であるが確認し得ない．田殿村猪の谷池北方に見られる緑色の片岩類は変成度の低い地帯に位置するが，岩石の再結晶度はやや高い．宮原村滝附近の岩石はやはり変成度が高く，結晶片岩となっている．主成分鉱物は緑簾石・緑泥石・炭質物・曹長石などであって斜黝簾石・方解石などを含んでいる．時に曹長石は彎曲しており，鉱物生成の時期およびその状態をある程度暗示しており，また双晶した斜長石の破片が残存している．この岩石の原岩も凝灰質のものであったと思われる．箕島駅の北側高圧線の下附近には砂質珪岩様の岩石と黒色千枚岩の互層とが見られるが，これらの原岩はほぼ全体に凝灰質を帯びていたらしく，鏡下では緑簾石が生成しており，また輝石・斜長石の結晶が砕残擬斑晶状に存在し，これらが線状の炭質物などと共存しているのが見られる．有田川河口北方の苅藻島東岸に露出する片理の明瞭な緑色片岩は陽起石緑泥石片岩であって，細長くて両端が繊維状の淡緑色陽起石が片理の方向に並列して岩石の大部分を構成し，その間を不規則な形の無色に近い緑泥石が塡めており，チタン石の結晶がやや多量に存在しているものと，陽起石・無色角閃石の細かい結晶と緑泥石とからなるものとが混って存在している．その組織を見ると凝灰岩から准片岩を経て片岩になる過程の各段階のものが存在していて，斑晶の少ない凝灰岩から変成されたものと思われる．</p><p>この地域の黒色千枚岩と石英質岩（石英片岩・珪岩など）は中央部地域のものと同様である．</p></div></div>","text":"II.3 古生界変成相－長瀞変成岩類\n本岩石は図幅地域の北半部に広く分布し，南側は有田川に沿う北傾の断層によって古生界と境されている．構成岩類は北部では結晶片岩類であり，中部・南部では准片岩および千枚岩類が多く，南限となっている断層の近くでは南側の変成作用をほとんど受けていない古生界と差異のない岩類も含まれている．その間の変成度の変化は漸移し，断層などによって変成度が急激に変化するところは見られない．この地域の変成岩類は，化石によって時代の決定がされていないが，この地域の南部を構成する古生界に岩質が漸移するものであり，したがって古生界の変成相と考えられる．\n北部，主として海南市以北の地域を構成する岩石は緑色片岩・黒色片岩を主とする．海南市の北側にN80°Wの方向に断層が推定され，この地域は2地区に分かれている．断層の北側のものは東隣の動木図幅地域内では黒色片岩・黒色千枚岩のなかに薄い片状砂岩層が数多く介在しているのを特徴とし，断層の南側のものと較べてその岩質は異なっているが，本図幅地域内ではそのような特徴はなく，断層の両側の地区の岩質は類似している．海南市の北側の丘陵性の山地には片状砂岩の薄層が見られ，また海南市の南東部には僅かに石英片岩が挟有されている．片理はE-Wに近い走向を示し，一般に南へ傾斜する．\n緑色片岩は陽起石緑簾石曹長石片岩・緑簾石緑泥石方解石曹長石片岩・緑簾石普通角閃石曹長石片岩などであって，角閃石の一部が藍閃石に変化したものも局部的に見られる．黒色片岩は炭質物・絹雲母・曹長石・石英などからなっている．片状を呈する砂岩は縞状構造が発達し，石墨・石英・曹長石・絹雲母などからなり，緑泥石・方解石・リューコクシンなどを含み，砕残鉱物として石英・斜長石・ジルコン・チタン石・緑簾石などが残存している．この地域で見られる片状砂岩には完全な砂岩よりも粘板岩質の砂岩から変ったと思われるものが多く，炭質物と絹雲母の縞状を呈するなかに石英・斜長石などが斑状に散在し，それらの周囲をとりまくように絹雲母・炭質物が生成している．石英片岩はおもに絹雲母石英片岩で，局部的に燐灰石・緑泥石・緑簾石・赤鉄鉱・紅簾石・柘榴石・藍閃石などを含む．赤鉄鉱を多くもった部分はやや赤色を呈する．以上の岩石は走向の方向にも移化しあい，傾斜の方向にも互に重なりあって存在し，例えば緑色片岩と黒色片岩との中間の性質をもつものや，黒色片岩と片状砂岩との中間の性質をもつものが多い．それは以上の岩石が塩基性熔岩および同火山砕屑岩・泥質岩・砂質岩・珪質岩を源岩とするものであって，源岩にこれらの中間の性質をもっていたものがあったためであろう．\n中央部，主として下津町以北の地域を構成する岩石は黒色千枚岩・緑色准片岩を主とし，時に緑色片岩・黒色片岩・石英片岩を挟有し，また下津町の南部と北部の黒色千枚岩の地域には結晶質石灰岩が挟まれている．この地域は北部の地域とともに黒色片岩・黒色千枚岩の分布が広く，南部（下津以南の地域）に較べてその岩質が相当異なっている．この地域の岩類はE-Wの走向で，北方では南傾，南方では北傾している．黒色千枚岩は細かい炭質物・絹雲母・曹長石・石英で構成され，そのなかに石英・斜長石のやや大形の結晶が散在する．片理は局部的に彎曲し，波状を呈し，また細かい褶曲を示すのがしばしば見られる．緑色准片岩は片状輝緑凝灰岩ともいうべき岩石で，緑簾石・陽起石・緑泥石・曹長石などの微細な結晶からなっており，これらの間に輝石や斜長石のやや大形の破片を含んでいる．海南市南方藤白坂の途中や塩津東方の海岸線に露出するものの一部は，微細な陽起石・炭質物・緑簾石の並行配列で片理が形成されたもので，泥質岩と均質な凝灰岩とが混っている部分が低度の変成作用を蒙ったものである．仁義村赤石越のものには無色の繊維状角閃石が片理の方向に並列し，その間にやや大形の粒状の単斜輝石が非常に多量に散在していて，変成作用はやや進んでいるようである．またこの岩石中のあるものには片理に平行に石英・曹長石から構成された帯状部やレンズ状部がある．この岩石は凝灰岩から変成されたものと考えられるが，なお疑問がある．加茂村大窪南方のものや大崎町弁天島北方の対岸，宮原村蕪板などのものは無色または淡緑色の陽起石の微細な結晶からなり，微細な緑簾石の結晶の集合が散在している．時にレンズ状の曹長石・石英・方解石の集合部がパッチ状に見られる．岩石はやや塊状で凝灰岩から変成されたものである．大崎村ツブネ鼻のものは変成度が高い緑色片岩で，主成分鉱物は緑簾石・陽起石・緑泥石であるが，部分的には双晶の見られる曹長石の大形の破片や粒状の角閃石・単斜輝石・斜黝簾石が見られる．それらの結晶は包有物が全く見られず，きわめて清澄である．緑簾石には輝石から変化したものも見られ，陽起石は部分的に藍閃石様の多色性を呈する．仁義村曽根田北方の准片岩には緑泥石に伴なってスティルプノメレンの針状，柱状の結晶が見られる．石英片岩は北部地域に存在するものと肉眼的には区別することが困難なものが多いが，一般に粒度が細かく，再結晶作用は進んでいない．沖の島北部の緑色准片岩中の石英片岩の薄層には，紅簾石が多量に含まれていて美しい紅色を呈している．岩石の再結晶度は低く，構成する石英粒は微細であるが，片理の方向に著しく伸びており，結晶軸配列の方向性が非常に強い．紅簾石の結晶はきわめて微細で，片理の方向に平行に集合して縞状に配列されている．この岩石はそのほか絹雲母・磁鉄鉱などを伴なっている．\n南部，下津町以南で南限の断層までの地域を構成する岩石は大部分緑色准片岩であって，その間に少量の黒色千枚岩・黒色片岩・珪岩を挟有している．この地域の岩層の片理の走向は大体においてE-Wで北に傾斜しているが，その角度は変化が著しく40～80°である．緑色准片岩は片状輝緑凝灰岩ともいうべき岩石で，外見上千枚岩のように片理によって剝げることはないが，かすかに片理の見られる細粒の岩石が多く，暗赤紫色の部分と互層することもあり，また紫灰色の角礫状の包有物（径5cm以下）をもつものもある．成分鉱物は前記中央部地域のものと類似しているが，南限の断層に近い部分のものや，前記角礫を含むものには原岩がガラス質凝炭岩であったことを示す構造がそのまま残っている．この地域には北部・中央部両地域よりも塩基性火成岩が多く存在し，それと岩質的に区別のつきがたい部分があり，また互に移化する部分もあると思われるので，地質図上に両者の分布範囲を正確に塗色することが困難な部分も多い．\nこの地域の南東隅に近い生石村丹生東方のものはやや紺青の色を帯び，含まれている角閃石は陽起石質または藍閃石質となり，特徴のある多色性を示し，いずれも柱状の細い結晶となっている．片理に平行なレンズ状の石英粒の集合部が多く見られ，そこには聚片双晶の見られる斜長石破片や方解石が伴なわれている．その他の部分は微細な緑簾石・角閃石・炭質物の集合体であって，角閃石などと炭質物の配列とが片理を構成する主要因である．同村下六川・田殿村田口北方などに見られるやや塊状の緑色岩はガラス質の凝灰岩の性質をそのまま残している．この岩石は塊状の塩基性火成岩体に接している．成分鉱物として直径0.1mm内外の粒状の単斜輝石が単独または時に集合して散在し，陽起石の針状結晶を有し，曹長石・緑簾石の結晶も見え，緑泥石の他形結晶も見られる．そのなかにはペンニナイトに変化しているものも多い．斜長石は全く残っていない．田口北方のものでは凝灰質岩の組織が微細な結晶片岩構造へ移化する途中の段階を，鏡下に見ることができる．生石村釜中に見られる同様な凝灰岩の組織を残すものには径1～4cmの灰色の角礫を含み，この角礫は玄武岩質の火成岩と思われるもので，粒状の普通輝石・緑泥石・ペンニナイトに変質した橄欖石を斑晶とし，石基は褐色の繊維状の鉱物で構成されている．かすかに斜長石の仮像を思わせる部分が見られる．石基を構成する鉱物はきわめて微細でパンペリヤイト（Pumpellyite）様であるが確認し得ない．田殿村猪の谷池北方に見られる緑色の片岩類は変成度の低い地帯に位置するが，岩石の再結晶度はやや高い．宮原村滝附近の岩石はやはり変成度が高く，結晶片岩となっている．主成分鉱物は緑簾石・緑泥石・炭質物・曹長石などであって斜黝簾石・方解石などを含んでいる．時に曹長石は彎曲しており，鉱物生成の時期およびその状態をある程度暗示しており，また双晶した斜長石の破片が残存している．この岩石の原岩も凝灰質のものであったと思われる．箕島駅の北側高圧線の下附近には砂質珪岩様の岩石と黒色千枚岩の互層とが見られるが，これらの原岩はほぼ全体に凝灰質を帯びていたらしく，鏡下では緑簾石が生成しており，また輝石・斜長石の結晶が砕残擬斑晶状に存在し，これらが線状の炭質物などと共存しているのが見られる．有田川河口北方の苅藻島東岸に露出する片理の明瞭な緑色片岩は陽起石緑泥石片岩であって，細長くて両端が繊維状の淡緑色陽起石が片理の方向に並列して岩石の大部分を構成し，その間を不規則な形の無色に近い緑泥石が塡めており，チタン石の結晶がやや多量に存在しているものと，陽起石・無色角閃石の細かい結晶と緑泥石とからなるものとが混って存在している．その組織を見ると凝灰岩から准片岩を経て片岩になる過程の各段階のものが存在していて，斑晶の少ない凝灰岩から変成されたものと思われる．\nこの地域の黒色千枚岩と石英質岩（石英片岩・珪岩など）は中央部地域のものと同様である．","blocks":[{"type":"heading","depth":1,"text":"II.3 古生界変成相－長瀞変成岩類","id":"sec-2-3"},{"type":"paragraph","text":"本岩石は図幅地域の北半部に広く分布し，南側は有田川に沿う北傾の断層によって古生界と境されている．構成岩類は北部では結晶片岩類であり，中部・南部では准片岩および千枚岩類が多く，南限となっている断層の近くでは南側の変成作用をほとんど受けていない古生界と差異のない岩類も含まれている．その間の変成度の変化は漸移し，断層などによって変成度が急激に変化するところは見られない．この地域の変成岩類は，化石によって時代の決定がされていないが，この地域の南部を構成する古生界に岩質が漸移するものであり，したがって古生界の変成相と考えられる．"},{"type":"paragraph","text":"北部，主として海南市以北の地域を構成する岩石は緑色片岩・黒色片岩を主とする．海南市の北側にN80°Wの方向に断層が推定され，この地域は2地区に分かれている．断層の北側のものは東隣の動木図幅地域内では黒色片岩・黒色千枚岩のなかに薄い片状砂岩層が数多く介在しているのを特徴とし，断層の南側のものと較べてその岩質は異なっているが，本図幅地域内ではそのような特徴はなく，断層の両側の地区の岩質は類似している．海南市の北側の丘陵性の山地には片状砂岩の薄層が見られ，また海南市の南東部には僅かに石英片岩が挟有されている．片理はE-Wに近い走向を示し，一般に南へ傾斜する．"},{"type":"paragraph","text":"緑色片岩は陽起石緑簾石曹長石片岩・緑簾石緑泥石方解石曹長石片岩・緑簾石普通角閃石曹長石片岩などであって，角閃石の一部が藍閃石に変化したものも局部的に見られる．黒色片岩は炭質物・絹雲母・曹長石・石英などからなっている．片状を呈する砂岩は縞状構造が発達し，石墨・石英・曹長石・絹雲母などからなり，緑泥石・方解石・リューコクシンなどを含み，砕残鉱物として石英・斜長石・ジルコン・チタン石・緑簾石などが残存している．この地域で見られる片状砂岩には完全な砂岩よりも粘板岩質の砂岩から変ったと思われるものが多く，炭質物と絹雲母の縞状を呈するなかに石英・斜長石などが斑状に散在し，それらの周囲をとりまくように絹雲母・炭質物が生成している．石英片岩はおもに絹雲母石英片岩で，局部的に燐灰石・緑泥石・緑簾石・赤鉄鉱・紅簾石・柘榴石・藍閃石などを含む．赤鉄鉱を多くもった部分はやや赤色を呈する．以上の岩石は走向の方向にも移化しあい，傾斜の方向にも互に重なりあって存在し，例えば緑色片岩と黒色片岩との中間の性質をもつものや，黒色片岩と片状砂岩との中間の性質をもつものが多い．それは以上の岩石が塩基性熔岩および同火山砕屑岩・泥質岩・砂質岩・珪質岩を源岩とするものであって，源岩にこれらの中間の性質をもっていたものがあったためであろう．"},{"type":"paragraph","text":"中央部，主として下津町以北の地域を構成する岩石は黒色千枚岩・緑色准片岩を主とし，時に緑色片岩・黒色片岩・石英片岩を挟有し，また下津町の南部と北部の黒色千枚岩の地域には結晶質石灰岩が挟まれている．この地域は北部の地域とともに黒色片岩・黒色千枚岩の分布が広く，南部（下津以南の地域）に較べてその岩質が相当異なっている．この地域の岩類はE-Wの走向で，北方では南傾，南方では北傾している．黒色千枚岩は細かい炭質物・絹雲母・曹長石・石英で構成され，そのなかに石英・斜長石のやや大形の結晶が散在する．片理は局部的に彎曲し，波状を呈し，また細かい褶曲を示すのがしばしば見られる．緑色准片岩は片状輝緑凝灰岩ともいうべき岩石で，緑簾石・陽起石・緑泥石・曹長石などの微細な結晶からなっており，これらの間に輝石や斜長石のやや大形の破片を含んでいる．海南市南方藤白坂の途中や塩津東方の海岸線に露出するものの一部は，微細な陽起石・炭質物・緑簾石の並行配列で片理が形成されたもので，泥質岩と均質な凝灰岩とが混っている部分が低度の変成作用を蒙ったものである．仁義村赤石越のものには無色の繊維状角閃石が片理の方向に並列し，その間にやや大形の粒状の単斜輝石が非常に多量に散在していて，変成作用はやや進んでいるようである．またこの岩石中のあるものには片理に平行に石英・曹長石から構成された帯状部やレンズ状部がある．この岩石は凝灰岩から変成されたものと考えられるが，なお疑問がある．加茂村大窪南方のものや大崎町弁天島北方の対岸，宮原村蕪板などのものは無色または淡緑色の陽起石の微細な結晶からなり，微細な緑簾石の結晶の集合が散在している．時にレンズ状の曹長石・石英・方解石の集合部がパッチ状に見られる．岩石はやや塊状で凝灰岩から変成されたものである．大崎村ツブネ鼻のものは変成度が高い緑色片岩で，主成分鉱物は緑簾石・陽起石・緑泥石であるが，部分的には双晶の見られる曹長石の大形の破片や粒状の角閃石・単斜輝石・斜黝簾石が見られる．それらの結晶は包有物が全く見られず，きわめて清澄である．緑簾石には輝石から変化したものも見られ，陽起石は部分的に藍閃石様の多色性を呈する．仁義村曽根田北方の准片岩には緑泥石に伴なってスティルプノメレンの針状，柱状の結晶が見られる．石英片岩は北部地域に存在するものと肉眼的には区別することが困難なものが多いが，一般に粒度が細かく，再結晶作用は進んでいない．沖の島北部の緑色准片岩中の石英片岩の薄層には，紅簾石が多量に含まれていて美しい紅色を呈している．岩石の再結晶度は低く，構成する石英粒は微細であるが，片理の方向に著しく伸びており，結晶軸配列の方向性が非常に強い．紅簾石の結晶はきわめて微細で，片理の方向に平行に集合して縞状に配列されている．この岩石はそのほか絹雲母・磁鉄鉱などを伴なっている．"},{"type":"paragraph","text":"南部，下津町以南で南限の断層までの地域を構成する岩石は大部分緑色准片岩であって，その間に少量の黒色千枚岩・黒色片岩・珪岩を挟有している．この地域の岩層の片理の走向は大体においてE-Wで北に傾斜しているが，その角度は変化が著しく40～80°である．緑色准片岩は片状輝緑凝灰岩ともいうべき岩石で，外見上千枚岩のように片理によって剝げることはないが，かすかに片理の見られる細粒の岩石が多く，暗赤紫色の部分と互層することもあり，また紫灰色の角礫状の包有物（径5cm以下）をもつものもある．成分鉱物は前記中央部地域のものと類似しているが，南限の断層に近い部分のものや，前記角礫を含むものには原岩がガラス質凝炭岩であったことを示す構造がそのまま残っている．この地域には北部・中央部両地域よりも塩基性火成岩が多く存在し，それと岩質的に区別のつきがたい部分があり，また互に移化する部分もあると思われるので，地質図上に両者の分布範囲を正確に塗色することが困難な部分も多い．"},{"type":"paragraph","text":"この地域の南東隅に近い生石村丹生東方のものはやや紺青の色を帯び，含まれている角閃石は陽起石質または藍閃石質となり，特徴のある多色性を示し，いずれも柱状の細い結晶となっている．片理に平行なレンズ状の石英粒の集合部が多く見られ，そこには聚片双晶の見られる斜長石破片や方解石が伴なわれている．その他の部分は微細な緑簾石・角閃石・炭質物の集合体であって，角閃石などと炭質物の配列とが片理を構成する主要因である．同村下六川・田殿村田口北方などに見られるやや塊状の緑色岩はガラス質の凝灰岩の性質をそのまま残している．この岩石は塊状の塩基性火成岩体に接している．成分鉱物として直径0.1mm内外の粒状の単斜輝石が単独または時に集合して散在し，陽起石の針状結晶を有し，曹長石・緑簾石の結晶も見え，緑泥石の他形結晶も見られる．そのなかにはペンニナイトに変化しているものも多い．斜長石は全く残っていない．田口北方のものでは凝灰質岩の組織が微細な結晶片岩構造へ移化する途中の段階を，鏡下に見ることができる．生石村釜中に見られる同様な凝灰岩の組織を残すものには径1～4cmの灰色の角礫を含み，この角礫は玄武岩質の火成岩と思われるもので，粒状の普通輝石・緑泥石・ペンニナイトに変質した橄欖石を斑晶とし，石基は褐色の繊維状の鉱物で構成されている．かすかに斜長石の仮像を思わせる部分が見られる．石基を構成する鉱物はきわめて微細でパンペリヤイト（Pumpellyite）様であるが確認し得ない．田殿村猪の谷池北方に見られる緑色の片岩類は変成度の低い地帯に位置するが，岩石の再結晶度はやや高い．宮原村滝附近の岩石はやはり変成度が高く，結晶片岩となっている．主成分鉱物は緑簾石・緑泥石・炭質物・曹長石などであって斜黝簾石・方解石などを含んでいる．時に曹長石は彎曲しており，鉱物生成の時期およびその状態をある程度暗示しており，また双晶した斜長石の破片が残存している．この岩石の原岩も凝灰質のものであったと思われる．箕島駅の北側高圧線の下附近には砂質珪岩様の岩石と黒色千枚岩の互層とが見られるが，これらの原岩はほぼ全体に凝灰質を帯びていたらしく，鏡下では緑簾石が生成しており，また輝石・斜長石の結晶が砕残擬斑晶状に存在し，これらが線状の炭質物などと共存しているのが見られる．有田川河口北方の苅藻島東岸に露出する片理の明瞭な緑色片岩は陽起石緑泥石片岩であって，細長くて両端が繊維状の淡緑色陽起石が片理の方向に並列して岩石の大部分を構成し，その間を不規則な形の無色に近い緑泥石が塡めており，チタン石の結晶がやや多量に存在しているものと，陽起石・無色角閃石の細かい結晶と緑泥石とからなるものとが混って存在している．その組織を見ると凝灰岩から准片岩を経て片岩になる過程の各段階のものが存在していて，斑晶の少ない凝灰岩から変成されたものと思われる．"},{"type":"paragraph","text":"この地域の黒色千枚岩と石英質岩（石英片岩・珪岩など）は中央部地域のものと同様である．"}],"images":[],"tables":[],"anchors":[{"id":"m589_f024","label":"長瀞変成岩類","title":"長瀞変成岩類"},{"id":"m589_u024_os","label":"os","title":"片状砂岩"},{"id":"m589_u025_osb","label":"osb","title":"片状砂岩・黒色千枚岩および黒色片岩"},{"id":"m589_u026_bph","label":"bph","title":"黒色千枚岩および黒色片岩"},{"id":"m589_u027_gph","label":"gph","title":"緑色千枚岩・緑色准片岩および緑色片岩"},{"id":"m589_u028_qs","label":"qs","title":"珪岩および石英片岩"},{"id":"m589_u029_pqs","label":"pqs","title":"紅簾石絹雲母石英片岩"},{"id":"m589_u030_cls","label":"cls","title":"結晶質石灰岩"}]},"provenance":{"xml_url":"https://gbank.gsj.jp/ld/zfk/xmldata/0589_BITS.xml","xpath_target":"//*[@id='sec-2-3']","generated_at":"2026-05-29T02:07:41+09:00","html_url":"https://cdn.gsj.jp/ld/zfk/zfkdoc/0589/0589.html"},"legend":{"focus":{"type":"LegendUnit","id":"m589_u027","@id":"https://gbank.gsj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