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GSJ 地質図幅凡例データセット
図幅凡例(岩相単元)
項目内容
凡例IDm1260_u006
凡例記号L
凡例ラベル火山灰土(*断面図のみに示す)
凡例ラベル(E)Volcanic ash soil (Only on cross section)
年代第四紀 後期更新世-完新世
年代(E)Quaternary, Late Pleistocene-Holocene
層相新期ローム層
層相(E)Younger loam
地質図幅名地域地質研究報告 5万分の1地質図幅「鴻巣地域の地質」 (2014年発行) [G50_08_029]
著者納谷友規
安原正也
図幅説明書の項目6.2 新期ローム層(L)(ID: sec-6-2)
全文HTMLhttps://cdn.gsj.jp/ld/zfk/zfkdoc/1260/1260.html

6.2 新期ローム層(L)

命名・定義

関東ローム研究グループ(1956,1958,1965)に基づき.新期ローム層を台地表層あるいは埋没段丘上に認められる武蔵野期以降のローム層の総称として用いる.関東ローム研究グループ(1965)は,新期ローム層を下部の武蔵野ローム層及び上部の立川ローム層に分けているが,鴻巣地域ではその境界は必ずしも明瞭でないため,ここではそれらを一括して新期ローム層として記載する.

分布

大宮台地・猿島台地の全域.中川低地地下の埋没段丘堆積物を覆って部分的に分布.

層相

本ローム層は,褐色(10YR4/4~7.5YR4/4)から黄褐色(10YR5/3~6/6)を呈する粘土質のローム(火山灰土)を主体とし,最大層厚数10cmの黒褐色(7.5YR3/2)~暗褐色(10YR3/3~3/4)の帯(暗色帯)を1~2層挟み,全体としては褐色部と暗色帯の互層となっている(第6.5図).層厚は,地層の欠如がない場合,大宮台地東端の北本市石戸宿付近で,約4.5m,古河市茶屋新田あたりで2.5~3m前後と,本地域東北部でやや薄くなる.大宮面及び下総下位面に相当する地域では,台地縁辺部を除けば,基本的に本ローム層が欠如なく観察される.この場合,常総粘土は漸移的に本ローム層に覆われる(第6.6図).本地域の西南部においては,本ローム層の基底から10~40cm上位に後述する箱根東京テフラ(Hk-TP)が挟在する(第5.16,6.3,6.6図).風化した露頭では,箱根東京テフラを含む層厚数10cmでクラックが発達することが多い.最上位の褐色部の基底付近からは,水洗によって泥分を洗い流すことによって,後述する姶良Tnテフラ(AT)が検出される.また,新期ローム層の最上部は,黒褐色(10YR2/2)~黒色(7.5YR1.7/1)を呈する柔らかい土壌からなり,一般的に“クロボク”あるいは“クロボク土”と呼ばれている.また,鷲宮町東大輪(SP-WM)付近の中川低地の地下に分布する埋没段丘堆積物の上位には層厚2mほどのローム層が分布する場合がある(第5.7図).SP-WMコアでこの埋没ローム層はやや砂質の層相を呈し,深度15.85m付近には姶良Tnテフラがローム層中に散在して検出される.

第6.5図 新期ローム層の露頭写真

スケールは3 m.(古河市茶屋新田:Loc.8)

第6.6図 常総粘土と新期ローム層の境界付近の露頭写真

スケールは1 m.(鷲宮市滝馬室:Loc.1,第5.16図参照)

N値

全体的に5以下であることが多い.

テフラ

箱根東京テフラ(Hk-TP)及び姶良Tn(AT)テフラが認められる.

箱根東京テフラ(Hk-TP)

新期ローム層の最下部付近に挟有される黄橙色の軽石質テフラ層である.本テフラ層は,原田(1943)によって東京浮石土として初めて記載され,のちに東京軽石あるいは東京軽石層(町田・森山,1968)と呼ばれた.本報告では,町田・新井(2003)に従い,箱根東京テフラ(Hk-TP)と呼ぶ.

本地域では,箱根東京テフラは最大層厚7cm程度でパッチ状に産する(第6.7図).分布が確認されたのは本地域の南西部に限られ,中央部及び北東部では確認されなかった.分布が確認された南西部においても,その南西部で厚く北部及び東部で薄い傾向がある.北本市石戸宿付近では,層厚7cmのパッチ状で産するが,鴻巣市滝馬室や蓮田市高虫(GS-HD-1)では最大層厚1~2cmのパッチ状で産する.中粒砂大から径5mm程度の黄橙色軽石からなり,重鉱物は斜方輝石,単斜輝石を多く含み,かんらん石と角閃石をわずかに含む(第6.2表).本地域のローム層中には,重鉱物として角閃石が比較的多く含まれることから,本テフラに含まれる角閃石については,それらが混入したものと思われる.斜方輝石の屈折率は1.704~1.713を示す(第6.1表).

箱根東京テフラは,箱根火山の新期軽石流(久野,1952)に相当するプリニアン噴火によってもたらされたテフラであり,南関東から関東平野中央部にかけて広く分布することが知られているが,本地域は分布のほぼ北限とされる(町田・新井,2003).なお,箱根東京テフラは,MIS4に相当する60~65ka頃に噴出したと考えられている(町田・新井,2003).

第6.7図 新期ローム層下部に挟在する箱根東京テフラ(Hk-TP)の露頭写真

点線に囲まれた部分(北本市荒井:Loc.7,第5.16図参照)

第6.2表 鴻巣地域の新期ローム層に挟在する箱根東京テフラ(Hk-TP)の記載岩石学的特徴

姶良Tnテフラ(AT)

欠如のないローム層の場合,台地の地表面から約50cm~100cm下の褐色ローム中に,平板型の薄い火山ガラスの濃集帯としてみとめられる.野外では肉眼でテフラ層を確認することはできないが,採取した試料を水洗して泥分を除去することによって火山ガラスを確認できる.また,露頭を注意深く観察すると,濃集した火山ガラスが光に反射するのを確認できることがある.火山ガラスの屈折率は多くの場合1.497~1.501を示す(第6.1表).古河市茶屋新田のローム層から得られた火山ガラスの化学組成(第6.3表)は,SiO2が78.32%と高く,TiO2が0.15%と低くK2Oが3.52%であり,既知の姶良Tnテフラの分析値(町田・新井,2003;青木・町田,2006)と良く一致する.このように,ガラスの形態,屈折率,化学組成ともに,町田・新井(1976,2003)の姶良Tnテフラの特徴に一致するため,これに同定される.姶良Tnテフラの降灰年代は,約26~29kaのMIS3-2境界付近と考えられている(町田・新井,2003).

第6.3表 新期ローム層に挟在する姶良Tnテフラ(AT)に含まれる火山ガラスの主成分化学組成

古河市茶屋新田.サンプル番号 L8–T12.

@idhttps://gbank.gsj.jp/ld/resource/zfk/units/m1260_u006
所属凡例グループ
分類名称URI
凡例:グループ図幅凡例https://gbank.gsj.jp/ld/resource/zfk/groups/m1260_g001
親要素
分類名称URI
凡例:地質年代後期更新世-完新世https://gbank.gsj.jp/ld/resource/zfk/ages/m1260_a003
凡例:層相新期ローム層https://gbank.gsj.jp/ld/resource/zfk/facies/m1260_f007
機械処理向けメタデータ
項目内容
図幅 map_id1260
図幅 @idhttps://gbank.gsj.jp/ld/resource/zfk/maps/m1260
地質年代後期更新世-完新世 / Late Pleistocene-Holocene
地質年代 (Ma)0.129 - 0 Ma
空間情報
隣接図幅 map_id773
1159 https://gbank.gsj.jp/ld/resource/zfk/maps/m1159
1472
抽出属性
鉱物(抽出)角閃石, かんらん石, 輝石
層厚2 m/本ローム層は,褐色(10YR4/4~7.5YR4/4)から黄褐色(10YR5/3~6/6)を呈する粘土質のローム(火山灰土)を主体とし,最大層厚数10cmの黒褐色(7.5YR3/2)~暗褐色(10YR3/3~3/4)の帯(暗色帯)を1~2層挟み,全体としては褐色部と暗色帯の互層となっている(第6.5図).層厚は,地層の欠如がない場合,大宮台地東端の北本市石戸宿付近で,約4.5m,古河市茶屋新田あたりで2.5~3m前後と,本地域東北部でやや薄くなる.大宮面及び下総下位面に相当する地域では,台地縁辺部を除けば,基本的に本ローム層が欠如なく観察される.この場合,常総粘土は漸移的に本ローム層に覆われる(第6.6図).本地域の西南部においては,本ローム層の基底から10~40cm上位に後述する箱根東京テフラ(Hk-TP)が挟在する(第5.16,6.3,6.6図).風化した露頭では,箱根東京テフラを含む層厚数10cmでクラックが発達することが多い.最上位の褐色部の基底付近からは,水洗によって泥分を洗い流すことによって,後述する姶良Tnテフラ(AT)が検出される.また,新期ローム層の最上部は,黒褐色(10YR2/2)~黒色(7.5YR1.7/1)を呈する柔らかい土壌からなり,一般的に“クロボク”あるいは“クロボク土”と呼ばれている.また,鷲宮町東大輪(SP-WM)付近の中川低地の地下に分布する埋没段丘堆積物の上位には層厚2mほどのローム層が分布する場合がある(第5.7図).SP-WMコアでこの埋没ローム層はやや砂質の層相を呈し,深度15.85m付近には姶良Tnテフラがローム層中に散在して検出される.
分布大宮台地・猿島台地の全域.中川低地地下の埋没段丘堆積物を覆って部分的に分布.
関連図
図表: 第6.5図新期ローム層の露頭写真
スケールは3 m.(古河市茶屋新田:Loc.8)
https://cdn.gsj.jp/ld/zfk/zfkdoc/1260/image/1260_0057-0002.png
図表: 第6.6図常総粘土と新期ローム層の境界付近の露頭写真
スケールは1 m.(鷲宮市滝馬室:Loc.1,第5.16図参照)
https://cdn.gsj.jp/ld/zfk/zfkdoc/1260/image/1260_0057-0003.png
図表: 第6.7図新期ローム層下部に挟在する箱根東京テフラ(Hk-TP)の露頭写真
点線に囲まれた部分(北本市荒井:Loc.7,第5.16図参照)
https://cdn.gsj.jp/ld/zfk/zfkdoc/1260/image/1260_0058-0003.png
図表: 第6.2表鴻巣地域の新期ローム層に挟在する箱根東京テフラ(Hk-TP)の記載岩石学的特徴
https://cdn.gsj.jp/ld/zfk/zfkdoc/1260/image/1260_0058-0001.png
図表: 第6.3表新期ローム層に挟在する姶良Tnテフラ(AT)に含まれる火山ガラスの主成分化学組成
古河市茶屋新田.サンプル番号 L8–T12.
https://cdn.gsj.jp/ld/zfk/zfkdoc/1260/image/1260_0058-0002.png
出典情報
Source XMLhttps://gbank.gsj.jp/ld/zfk/xmldata/1260_BITS.xml
XPath//*[@id='sec-6-2']
生成日時2026-03-31T23:00:20+09:00
関連情報
分類名称URI
出典図幅説明書 HTMLhttps://cdn.gsj.jp/ld/zfk/zfkdoc/1260/1260.html
出典図幅説明書 XMLhttps://gbank.gsj.jp/ld/zfk/xmldata/1260_BITS.xml
画像第6.5図 新期ローム層の露頭写真https://cdn.gsj.jp/ld/zfk/zfkdoc/1260/image/1260_0057-0002.png
画像第6.6図 常総粘土と新期ローム層の境界付近の露頭写真https://cdn.gsj.jp/ld/zfk/zfkdoc/1260/image/1260_0057-0003.png
画像第6.7図 新期ローム層下部に挟在する箱根東京テフラ(Hk-TP)の露頭写真https://cdn.gsj.jp/ld/zfk/zfkdoc/1260/image/1260_0058-0003.png
画像第6.2表 鴻巣地域の新期ローム層に挟在する箱根東京テフラ(Hk-TP)の記載岩石学的特徴https://cdn.gsj.jp/ld/zfk/zfkdoc/1260/image/1260_0058-0001.png
画像第6.3表 新期ローム層に挟在する姶良Tnテフラ(AT)に含まれる火山ガラスの主成分化学組成https://cdn.gsj.jp/ld/zfk/zfkdoc/1260/image/1260_0058-0002.png
一次資料地質図幅出版物情報https://gbank.gsj.jp/ld/resource/publication/map/g050/map1260