{"ok":true,"version":"1.1.0","license":"https://www.gsj.jp/license/license.html","attribution":"出典：産業技術総合研究所 地質調査総合センター「GSJ 地質図幅凡例データセット」","lang":"ja","type":"LegendFacies","id":"m1014_f030","@id":"https://gbank.gsj.jp/ld/resource/zfk/facies/m1014_f030","geom":{"uri":"https://gbank.gsj.jp/ld/resource/zfk/units/m1014_f030/geom","geojson_url":"https://cdn.gsj.jp/ld/zfk/units_geojson/m1014_f030.geojson","centroid":null,"bbox":null},"map":{"type":"LegendMap","map_id":1014,"@id":"https://gbank.gsj.jp/ld/resource/zfk/maps/m1014","sheet_code":"G50_08_085","series":"地域地質研究報告 5万分の1地質図幅","title_ja":"富津地域の地質","title_en":"Futtsu","author":["中嶋輝允","渡辺真人"],"authors":[{"name_display":"中嶋輝允","name_ja":"中嶋輝允","name_en":"Terumasa NAKAJIMA","name_alt":["Terumasa NAKAJIMA"]},{"name_display":"渡辺真人","name_ja":"渡辺真人","name_en":"Mahito WATANABE","name_alt":["Mahito WATANABE"]}],"pub_year":2005,"publisher":"独立行政法人　産業技術総合研究所　地質調査総合センター","publication_ref":{"@id":"https://gbank.gsj.jp/ld/resource/publication/map/g050/map1014"}},"self":{"type":"LegendFacies","id":"m1014_f030","@id":"https://gbank.gsj.jp/ld/resource/zfk/facies/m1014_f030","map_id":1014,"major_code":30,"label_ja":"東日笠層","label_en":"Higashihigasa Formation"},"adjacent_maps":[470,471,472,474,475,476,1055],"target":{"sec_id":"sec-4-5","label":"4.5","title":"東日笠層（Hg）","html":"<div class=\"zfkdoc\"><div id=\"sec-4-5\" class=\"section\" data-lv=\"2\" tabindex=\"-1\"><h1>4.5 東日笠層（Hg）</h1><span id=\"m1014_f030\"></span><span id=\"m1014_u030_Hg\"></span><span id=\"m1014_u031_Hgl\"></span><div class=\"section stratigraphic_desc\" data-category=\"命名\" tabindex=\"-1\"><h2>命名</h2><p>大塚・望月（1932）．最初は東日笠泥砂礫層の名称が用いられている．なお，命名時には岩相の記載はない．ここでは，富津市芹付近を中心に，東西方向に帯状に分布する厚いタービダイト砂岩・礫岩層からなる地層を東日笠層とする．</p></div><div class=\"section stratigraphic_desc\" data-category=\"模式地\" tabindex=\"-1\"><h2>模式地</h2><p>富津市芹付近とする．</p></div><div class=\"section stratigraphic_desc\" data-category=\"分布\" tabindex=\"-1\"><h2>分布</h2><p>富津市の横山より山脇，東大和田，芹を経て君津市植畑，東日笠に至る東西約10km，南北約1kmの細長い帯状の地域に分布する．帯状分布の長軸方向はENE-WSWである．</p></div><div class=\"section stratigraphic_desc\" data-category=\"層序\" tabindex=\"-1\"><h2>層序</h2><p>東日笠層には凝灰岩鍵層が存在しないので，周囲の地層との層序関係を詳細に調べることは難しい．しかし，次の岩相の項で述べるように，スランプ堆積層や東日笠層特有の性質を用いておよその関係を知ることができる．それによると，東日笠層は分布の東半では鍵層U9以上の梅ヶ瀬層に，西半では鍵層U9以下の梅ヶ瀬層と大田代層に対応する．</p><p>以下に述べるように，東日笠層と周囲の地層の間には，著しい浸食現象が見られるが，それは海底におけるturbidity currentsによる浸食の結果で，不整合現象ではない．</p></div><div class=\"section stratigraphic_desc\" data-category=\"岩相\" tabindex=\"-1\"><h2>岩相</h2><p>東日笠層の立体形は，長軸がENE-WSW方向に伸びた谷を堆積物が充填したような形状である．この谷地形（芹向斜）の底と南及び北側の側壁に当たる部分では，東日笠層下位の地層が深く浸食され，谷状に抉られている様子が観察される．このことから，東日笠層堆積時の海底に実際に谷が存在し，その谷を埋め立てるように堆積作用が進行したことが分かる．佐藤・小池（1957）は，この谷を東日笠化石海底谷と名付けた（本論文では東日笠海底谷とする）．現在の東日笠層の最も高い位置から谷底までの高さは200mを越える．但し，これは後述するように必ずしも東日笠層堆積時に存在した谷の深さに対応するものではない．</p><p>東日笠層の基底に接する下位の地層は西から東へ，黄和田層（横山，山脇），大田代層（東大和田の湊川河床），梅ヶ瀬層中部（西日笠の小糸川河床）というように次第に上位の地層になる．すなわち，谷の浸食の及ぶ深さは東に向かって次第に浅くなっている．</p><p>東日笠層は，その大部分が厚いタービダイト砂岩からなり，泥岩を含まない．他に，スランプ堆積層が東日笠層の中部に1層存在するのみである．なお，佐藤・小池（1957）が東日笠層の基底に位置付けたスランプ堆積層は，東日笠層のものではなく，下位の黄和田層や大田代層中のものである．</p><p>タービダイト砂岩は，厚さ1.5～4mのものが多いが，とくに厚いものでは10～15mに達する（第4.13図）．砂岩は正級化を示し，下部は粗粒砂岩～礫質砂岩，上部は中粒砂岩からなる．下部の礫質砂岩は，中礫サイズの円礫を多く含むことが多く，良好な骨材資源となる．横山及び東大和田・高溝から芹付近にかけて分布する東日笠層が採掘対象となっていて，いくつかの砂取場がある（第8.1図）．</p><p>タービダイト砂岩の下部から中部にかけて，泥岩の偽礫が多く含まれる．泥岩偽礫は中粒～粗粒泥岩で，10～50cmのものが多い．とくに大きいものは，70～80cmに達する．これらの泥岩偽礫は，上流側に存在した泥岩層がturbidity currentsによって削剥され，下流に運ばれてきたものである．</p><p>タービダイト砂岩層基底の浸食は，東日笠層に普通に見られる（第4.13図）．下位にある砂岩層を深さ1～5mにわたってチャネル状に削る例も珍しくない．チャネル状浸食に加えて，ステップ状に下位の砂岩層を浸食することもしばしばある（第4.13図の1）．高溝北の尾根上では，大規模な山砂の採掘が行われ，東日笠層や東日笠海底谷の断面，谷の南側の側壁と東日笠層タービダイト層との関係などを観察することができる．第4.13図の2と3には，その様子を断面と平面図（ルートマップ）に示している．谷の南側の側壁は主に中粒～粗粒の泥岩で，厚さ1～5cmの細粒タービダイト砂岩と凝灰岩層が挟まれる．凝灰岩層には，梅ヶ瀬層中部の鍵層U9が存在する．U9とともに側壁を構成する地層はステップ状に浸食され，東日笠層のタービダイト砂岩と接している．</p><p>浸食によって生じたステップは，1段の高さが2～4m，幅は3～5mである．図から分かるように，ステップ1段に1層の厚いタービダイト砂岩層が対応している．すなわち，厚いタービダイト砂岩を運んできた1回のturbidity currentが，その強い側方浸食力によって，ひとつのステップを削り込んだのである．削り取られた側壁は，泥岩偽礫となって下流に堆積したと考えられる．このような厚いタービダイト砂岩の堆積と浸食作用のセットは，浸食による谷の形成とタービダイト砂岩の堆積・谷の充填が同時進行的に起きたことを示している．</p><p>なお，南側の側壁において浸食され東日笠層と接している梅ヶ瀬層の層準は，高溝の北ではU9層準であるが，東の宇藤原の北でU8層準，船塚付近でU7層準というように，東に向かって次第に上の層準になる．これは前記の東日笠層の基底に接する層準が東に向かって上位の層準になることと調和的である．</p><p>東日笠海底谷の北側側壁は，新田の付近で観察できる．東日笠層は大田代層の上にあり，その境界は南側側壁とは異なり，大田代層の層理に緩やかに斜交して，大田代層を浸食している．浸食は大田代層の凝灰岩鍵層O11の3.5m上まで及んでいる．</p><p>スランプ堆積層は，東日笠層の中部に1層認められる．厚さ4～9mの含礫泥岩を主とするものであるが，上部が流状シルト岩となっている．含まれる礫は，0.5～5cmの円礫である．含礫泥岩層の中間に厚さ1mの砂岩層を挟む場所もある．苗割付近ではスランプ堆積層の下位に，薄く剥離するシルト層が存在する．スランプ堆積層の分布は苗割から南西へ芹林道，田倉の南を経て高溝の北で芹向斜の軸部に達する．この間で，その分布は東日笠層を斜めに横断する形となり，東日笠層を東西あるいは上下に分けている．</p><p>東日笠層とその北側に接する梅ヶ瀬層の関係を調べるため，苗割付近でこのスランプ堆積層の分布を詳しく調べた（第4.14図）．図の破線が東日笠層と梅ヶ瀬層の境界である．南側の東日笠層が，厚いタービダイト砂岩からなるのに対して，北側の梅ヶ瀬層は苗割付近では泥岩を主とする地層（上部）と砂泥互層（下部）からなる．この間に凝灰岩鍵層U8～U9とスランプ堆積層が存在する．このうち，U9は砂泥互層の中にある（第4.16図）．砂泥互層は，厚さ1～100cmの細粒～粗粒タービダイト砂岩を含み，やや砂勝ちである．泥岩は厚さ5～65cmで中粒～粗粒泥岩である．この砂泥互層の直下にスランプ堆積層が存在する．</p><p>U9とスランプ堆積層は，連続的な露頭を東日笠層との境界まで追跡され，境界に至ってU9は東日笠層によって浸食され分布を断ち切られる．一方，U9の下のスランプ堆積層はそのまま境界を越えて東日笠層側へ連続して分布している．梅ヶ瀬層側のスランプ堆積層の下位にも薄く剥離するシルト層が存在し，その他の特徴も東日笠層中のスランプ堆積層の特徴に一致している．両側のものが同一のスランプ堆積層であることは間違いない．</p><p>東日笠層側に泥岩層や凝灰岩層がないのは，一度堆積したこれらの地層は，その後谷を頻繁に流下した強いturbidity currentsによって全て浸食されたためと考えられる．短期間に厚く堆積したスランプ堆積層のみが浸食を免れることができた．</p><p>一方，梅ヶ瀬層側のU9を挟む砂泥互層中のタービダイト砂岩は，東日笠海底谷をオーバーフローしたturbidity currentsから堆積したものとみなされる．砂勝ち砂泥互層は，苗割付近では，スランプ堆積層の上にあるが，西の田倉付近ではスランプ堆積層の下に厚さ20～100cmのタービダイト砂岩と厚さ1～30cmの泥岩からなる砂勝ち互層が存在し，この砂泥互層が南側の東日笠層と接している．スランプ堆積層の上は泥勝ち互層となっているので，砂勝ち互層は田倉付近では，下に移ったことになる．この傾向は更に西側の東大和田付近まで見られるので，全体としては，北側側壁からオーバーフローしたタービダイト砂岩の出現は，東に向かって次第に上位の層準に移ったことになる．</p><p>以上に述べたように，東日笠海底谷の側壁付近の状況は北側と南側で相違している．このような違いは，南側の側壁では谷の下部を，北側の側壁では谷の上部を見ていることによると考えられる．スランプ堆積層は鍵層U9の近くにあるので，東日笠層はこのスランプ堆積層を境に，東側が梅ヶ瀬層のU9より上位の地層に，西側がU9の下位層に相当することになる．</p><p>前記のように，高溝北の南側壁には（谷の外側に当たる），鍵層U9が存在しているが，その北側の東日笠層中（谷の内側に当たる）に上記のU9直下のスランプ堆積層が近接して存在する．両者の標高差は約30mある．谷の内側にあるスランプ堆積層は，芹向斜の軸部付近にあるので，この標高差はおおまかにU9堆積時の東日笠海底谷の底から谷の上までの高度差とみなされる．すなわち，堆積時の谷の深さは約30mあったことになる．</p><p>東日笠層の作る谷地形に関しては，それを東日笠層堆積時の海底谷やチャネルとする研究が古くからなされている（佐藤・小池，1957；Yamauchi et al., 1990）．また，東日笠層の谷地形を深海海底扇状地上部にあるfanvalleyと位置づけ，その東（下流）に分布する大田代層のタービダイト砂岩を堆積したturbidity currentsの通路とする研究がある（Hirayama and Nakajima, 1977）．本報告では，上述した東日笠層の産状から東日笠海底谷は全体として明確な海底谷の性質をもち，芹付近より東側では谷が浅くなり海底谷出口に近くなると考えた．次項で述べる梅ヶ瀬層のタービダイト砂岩の分布などから，その出口付近にはfan valleyを伴う深海海底扇状地上部の特徴が見られる．富津地域ではタービダイト砂岩堆積場の最も上流の部分を見ていることになる．</p><p>東日笠海底谷は，基盤に当たる下位の地層の示す向斜構造（芹向斜）の軸部に沿って存在する（第7.2図）．その密接な相関は，海底谷の発生が芹向斜の形成に深く関係していることを示す．向斜の形成によって生じた海底の凹地に沿ってturbidity currentsが次々と流れ，次第に海底谷に成長していったと考えられる．</p><div class=\"image-holder overview-landing-limg\" id=\"F4.13\"><a href=\"https://cdn.gsj.jp/ld/zfk/zfkdoc/1014/image/1014_0065-0001.png\" target=\"_blank\" class=\"fig-open-link\"><img class=\"halfsize\" loading=\"lazy\" decoding=\"async\" src=\"https://cdn.gsj.jp/ld/zfk/zfkdoc/1014/image/1014_0065-0001.png\"></a><div class=\"figures-tables-support-txt\"><h6><span class=\"fig-label\">第4.13図</span> 東日笠層のスケッチ（1と2）とルートマップ（3）</h6><p>高溝砂取場（第8.1図に位置を示す）．A-B断面のスケッチ後に，C-D断面まで採掘が進み，再びスケッチする．</p></div></div><div class=\"image-holder overview-landing-limg\" id=\"F4.14\"><a href=\"https://cdn.gsj.jp/ld/zfk/zfkdoc/1014/image/1014_0066-0001.png\" target=\"_blank\" class=\"fig-open-link\"><img class=\"halfsize\" loading=\"lazy\" decoding=\"async\" src=\"https://cdn.gsj.jp/ld/zfk/zfkdoc/1014/image/1014_0066-0001.png\"></a><div class=\"figures-tables-support-txt\"><h6><span class=\"fig-label\">第4.14図</span> 東日笠層と梅ヶ瀬層の関係を示す苗割付近のルートマップ</h6></div></div></div><div class=\"section stratigraphic_desc\" data-category=\"層厚\" tabindex=\"-1\"><h2>層厚</h2><p>約200m.</p></div><div class=\"section stratigraphic_desc\" data-category=\"化石\" tabindex=\"-1\"><h2>化石</h2><p>佐藤・小池（1957）は本層から多数の貝化石を報告している．それらの貝化石は汽水生から半深海生の種が入り混じって産する．馬場（1990）は，東日笠層下部には寒流系の上部浅海から下部浅海の貝化石群集が産し，中部には暖流系下部浅海の貝化石群集が産することを報告している．なお，東日笠層からは，Parelephas proximusなどの陸生哺乳類化石の産出が知られる（高井，1938）．</p></div><div class=\"section stratigraphic_desc\" data-category=\"対比\" tabindex=\"-1\"><h2>対比</h2><p>本層は東日笠層（大塚，1932：池辺，1948；小池，1957；三梨ほか，1962）をはじめ，東日笠貝層（植田，1933），東日笠砂礫層（小池，1949），東日笠砂礫相（三梨，1954）などの名称が使われているが，本層の岩相と分布は周囲の地層から明確に区別できるので，いずれも同じものを指していることは明らかである．</p><p>なお，岩相の記載で述べたように，東日笠層の上部は，梅ヶ瀬層の鍵層U9以上の地層に，下部はU9以下の地層に対比される．次項で述べる梅ヶ瀬層のタービダイト砂岩の分布から考えると，東日笠層上部は，富津地域の中では梅ヶ瀬層の鍵層U6層準まで含むと考えられる．東日笠層下部については，黄和田層より上位の地層であることは間違いない．おそらく，大田代層の多くが東日笠層下部に対比されると思われる．</p></div></div></div>","text":"4.5 東日笠層（Hg）\n命名\n大塚・望月（1932）．最初は東日笠泥砂礫層の名称が用いられている．なお，命名時には岩相の記載はない．ここでは，富津市芹付近を中心に，東西方向に帯状に分布する厚いタービダイト砂岩・礫岩層からなる地層を東日笠層とする．\n模式地\n富津市芹付近とする．\n分布\n富津市の横山より山脇，東大和田，芹を経て君津市植畑，東日笠に至る東西約10km，南北約1kmの細長い帯状の地域に分布する．帯状分布の長軸方向はENE-WSWである．\n層序\n東日笠層には凝灰岩鍵層が存在しないので，周囲の地層との層序関係を詳細に調べることは難しい．しかし，次の岩相の項で述べるように，スランプ堆積層や東日笠層特有の性質を用いておよその関係を知ることができる．それによると，東日笠層は分布の東半では鍵層U9以上の梅ヶ瀬層に，西半では鍵層U9以下の梅ヶ瀬層と大田代層に対応する．\n以下に述べるように，東日笠層と周囲の地層の間には，著しい浸食現象が見られるが，それは海底におけるturbidity currentsによる浸食の結果で，不整合現象ではない．\n岩相\n東日笠層の立体形は，長軸がENE-WSW方向に伸びた谷を堆積物が充填したような形状である．この谷地形（芹向斜）の底と南及び北側の側壁に当たる部分では，東日笠層下位の地層が深く浸食され，谷状に抉られている様子が観察される．このことから，東日笠層堆積時の海底に実際に谷が存在し，その谷を埋め立てるように堆積作用が進行したことが分かる．佐藤・小池（1957）は，この谷を東日笠化石海底谷と名付けた（本論文では東日笠海底谷とする）．現在の東日笠層の最も高い位置から谷底までの高さは200mを越える．但し，これは後述するように必ずしも東日笠層堆積時に存在した谷の深さに対応するものではない．\n東日笠層の基底に接する下位の地層は西から東へ，黄和田層（横山，山脇），大田代層（東大和田の湊川河床），梅ヶ瀬層中部（西日笠の小糸川河床）というように次第に上位の地層になる．すなわち，谷の浸食の及ぶ深さは東に向かって次第に浅くなっている．\n東日笠層は，その大部分が厚いタービダイト砂岩からなり，泥岩を含まない．他に，スランプ堆積層が東日笠層の中部に1層存在するのみである．なお，佐藤・小池（1957）が東日笠層の基底に位置付けたスランプ堆積層は，東日笠層のものではなく，下位の黄和田層や大田代層中のものである．\nタービダイト砂岩は，厚さ1.5～4mのものが多いが，とくに厚いものでは10～15mに達する（第4.13図）．砂岩は正級化を示し，下部は粗粒砂岩～礫質砂岩，上部は中粒砂岩からなる．下部の礫質砂岩は，中礫サイズの円礫を多く含むことが多く，良好な骨材資源となる．横山及び東大和田・高溝から芹付近にかけて分布する東日笠層が採掘対象となっていて，いくつかの砂取場がある（第8.1図）．\nタービダイト砂岩の下部から中部にかけて，泥岩の偽礫が多く含まれる．泥岩偽礫は中粒～粗粒泥岩で，10～50cmのものが多い．とくに大きいものは，70～80cmに達する．これらの泥岩偽礫は，上流側に存在した泥岩層がturbidity currentsによって削剥され，下流に運ばれてきたものである．\nタービダイト砂岩層基底の浸食は，東日笠層に普通に見られる（第4.13図）．下位にある砂岩層を深さ1～5mにわたってチャネル状に削る例も珍しくない．チャネル状浸食に加えて，ステップ状に下位の砂岩層を浸食することもしばしばある（第4.13図の1）．高溝北の尾根上では，大規模な山砂の採掘が行われ，東日笠層や東日笠海底谷の断面，谷の南側の側壁と東日笠層タービダイト層との関係などを観察することができる．第4.13図の2と3には，その様子を断面と平面図（ルートマップ）に示している．谷の南側の側壁は主に中粒～粗粒の泥岩で，厚さ1～5cmの細粒タービダイト砂岩と凝灰岩層が挟まれる．凝灰岩層には，梅ヶ瀬層中部の鍵層U9が存在する．U9とともに側壁を構成する地層はステップ状に浸食され，東日笠層のタービダイト砂岩と接している．\n浸食によって生じたステップは，1段の高さが2～4m，幅は3～5mである．図から分かるように，ステップ1段に1層の厚いタービダイト砂岩層が対応している．すなわち，厚いタービダイト砂岩を運んできた1回のturbidity currentが，その強い側方浸食力によって，ひとつのステップを削り込んだのである．削り取られた側壁は，泥岩偽礫となって下流に堆積したと考えられる．このような厚いタービダイト砂岩の堆積と浸食作用のセットは，浸食による谷の形成とタービダイト砂岩の堆積・谷の充填が同時進行的に起きたことを示している．\nなお，南側の側壁において浸食され東日笠層と接している梅ヶ瀬層の層準は，高溝の北ではU9層準であるが，東の宇藤原の北でU8層準，船塚付近でU7層準というように，東に向かって次第に上の層準になる．これは前記の東日笠層の基底に接する層準が東に向かって上位の層準になることと調和的である．\n東日笠海底谷の北側側壁は，新田の付近で観察できる．東日笠層は大田代層の上にあり，その境界は南側側壁とは異なり，大田代層の層理に緩やかに斜交して，大田代層を浸食している．浸食は大田代層の凝灰岩鍵層O11の3.5m上まで及んでいる．\nスランプ堆積層は，東日笠層の中部に1層認められる．厚さ4～9mの含礫泥岩を主とするものであるが，上部が流状シルト岩となっている．含まれる礫は，0.5～5cmの円礫である．含礫泥岩層の中間に厚さ1mの砂岩層を挟む場所もある．苗割付近ではスランプ堆積層の下位に，薄く剥離するシルト層が存在する．スランプ堆積層の分布は苗割から南西へ芹林道，田倉の南を経て高溝の北で芹向斜の軸部に達する．この間で，その分布は東日笠層を斜めに横断する形となり，東日笠層を東西あるいは上下に分けている．\n東日笠層とその北側に接する梅ヶ瀬層の関係を調べるため，苗割付近でこのスランプ堆積層の分布を詳しく調べた（第4.14図）．図の破線が東日笠層と梅ヶ瀬層の境界である．南側の東日笠層が，厚いタービダイト砂岩からなるのに対して，北側の梅ヶ瀬層は苗割付近では泥岩を主とする地層（上部）と砂泥互層（下部）からなる．この間に凝灰岩鍵層U8～U9とスランプ堆積層が存在する．このうち，U9は砂泥互層の中にある（第4.16図）．砂泥互層は，厚さ1～100cmの細粒～粗粒タービダイト砂岩を含み，やや砂勝ちである．泥岩は厚さ5～65cmで中粒～粗粒泥岩である．この砂泥互層の直下にスランプ堆積層が存在する．\nU9とスランプ堆積層は，連続的な露頭を東日笠層との境界まで追跡され，境界に至ってU9は東日笠層によって浸食され分布を断ち切られる．一方，U9の下のスランプ堆積層はそのまま境界を越えて東日笠層側へ連続して分布している．梅ヶ瀬層側のスランプ堆積層の下位にも薄く剥離するシルト層が存在し，その他の特徴も東日笠層中のスランプ堆積層の特徴に一致している．両側のものが同一のスランプ堆積層であることは間違いない．\n東日笠層側に泥岩層や凝灰岩層がないのは，一度堆積したこれらの地層は，その後谷を頻繁に流下した強いturbidity currentsによって全て浸食されたためと考えられる．短期間に厚く堆積したスランプ堆積層のみが浸食を免れることができた．\n一方，梅ヶ瀬層側のU9を挟む砂泥互層中のタービダイト砂岩は，東日笠海底谷をオーバーフローしたturbidity currentsから堆積したものとみなされる．砂勝ち砂泥互層は，苗割付近では，スランプ堆積層の上にあるが，西の田倉付近ではスランプ堆積層の下に厚さ20～100cmのタービダイト砂岩と厚さ1～30cmの泥岩からなる砂勝ち互層が存在し，この砂泥互層が南側の東日笠層と接している．スランプ堆積層の上は泥勝ち互層となっているので，砂勝ち互層は田倉付近では，下に移ったことになる．この傾向は更に西側の東大和田付近まで見られるので，全体としては，北側側壁からオーバーフローしたタービダイト砂岩の出現は，東に向かって次第に上位の層準に移ったことになる．\n以上に述べたように，東日笠海底谷の側壁付近の状況は北側と南側で相違している．このような違いは，南側の側壁では谷の下部を，北側の側壁では谷の上部を見ていることによると考えられる．スランプ堆積層は鍵層U9の近くにあるので，東日笠層はこのスランプ堆積層を境に，東側が梅ヶ瀬層のU9より上位の地層に，西側がU9の下位層に相当することになる．\n前記のように，高溝北の南側壁には（谷の外側に当たる），鍵層U9が存在しているが，その北側の東日笠層中（谷の内側に当たる）に上記のU9直下のスランプ堆積層が近接して存在する．両者の標高差は約30mある．谷の内側にあるスランプ堆積層は，芹向斜の軸部付近にあるので，この標高差はおおまかにU9堆積時の東日笠海底谷の底から谷の上までの高度差とみなされる．すなわち，堆積時の谷の深さは約30mあったことになる．\n東日笠層の作る谷地形に関しては，それを東日笠層堆積時の海底谷やチャネルとする研究が古くからなされている（佐藤・小池，1957；Yamauchi et al., 1990）．また，東日笠層の谷地形を深海海底扇状地上部にあるfanvalleyと位置づけ，その東（下流）に分布する大田代層のタービダイト砂岩を堆積したturbidity currentsの通路とする研究がある（Hirayama and Nakajima, 1977）．本報告では，上述した東日笠層の産状から東日笠海底谷は全体として明確な海底谷の性質をもち，芹付近より東側では谷が浅くなり海底谷出口に近くなると考えた．次項で述べる梅ヶ瀬層のタービダイト砂岩の分布などから，その出口付近にはfan valleyを伴う深海海底扇状地上部の特徴が見られる．富津地域ではタービダイト砂岩堆積場の最も上流の部分を見ていることになる．\n東日笠海底谷は，基盤に当たる下位の地層の示す向斜構造（芹向斜）の軸部に沿って存在する（第7.2図）．その密接な相関は，海底谷の発生が芹向斜の形成に深く関係していることを示す．向斜の形成によって生じた海底の凹地に沿ってturbidity currentsが次々と流れ，次第に海底谷に成長していったと考えられる．\n高溝砂取場（第8.1図に位置を示す）．A-B断面のスケッチ後に，C-D断面まで採掘が進み，再びスケッチする．\n層厚\n約200m.\n化石\n佐藤・小池（1957）は本層から多数の貝化石を報告している．それらの貝化石は汽水生から半深海生の種が入り混じって産する．馬場（1990）は，東日笠層下部には寒流系の上部浅海から下部浅海の貝化石群集が産し，中部には暖流系下部浅海の貝化石群集が産することを報告している．なお，東日笠層からは，Parelephas proximusなどの陸生哺乳類化石の産出が知られる（高井，1938）．\n対比\n本層は東日笠層（大塚，1932：池辺，1948；小池，1957；三梨ほか，1962）をはじめ，東日笠貝層（植田，1933），東日笠砂礫層（小池，1949），東日笠砂礫相（三梨，1954）などの名称が使われているが，本層の岩相と分布は周囲の地層から明確に区別できるので，いずれも同じものを指していることは明らかである．\nなお，岩相の記載で述べたように，東日笠層の上部は，梅ヶ瀬層の鍵層U9以上の地層に，下部はU9以下の地層に対比される．次項で述べる梅ヶ瀬層のタービダイト砂岩の分布から考えると，東日笠層上部は，富津地域の中では梅ヶ瀬層の鍵層U6層準まで含むと考えられる．東日笠層下部については，黄和田層より上位の地層であることは間違いない．おそらく，大田代層の多くが東日笠層下部に対比されると思われる．","blocks":[{"type":"heading","depth":1,"text":"4.5 東日笠層（Hg）","id":"sec-4-5"},{"type":"section-title","text":"命名"},{"type":"paragraph","text":"大塚・望月（1932）．最初は東日笠泥砂礫層の名称が用いられている．なお，命名時には岩相の記載はない．ここでは，富津市芹付近を中心に，東西方向に帯状に分布する厚いタービダイト砂岩・礫岩層からなる地層を東日笠層とする．"},{"type":"section-title","text":"模式地"},{"type":"paragraph","text":"富津市芹付近とする．"},{"type":"section-title","text":"分布"},{"type":"paragraph","text":"富津市の横山より山脇，東大和田，芹を経て君津市植畑，東日笠に至る東西約10km，南北約1kmの細長い帯状の地域に分布する．帯状分布の長軸方向はENE-WSWである．"},{"type":"section-title","text":"層序"},{"type":"paragraph","text":"東日笠層には凝灰岩鍵層が存在しないので，周囲の地層との層序関係を詳細に調べることは難しい．しかし，次の岩相の項で述べるように，スランプ堆積層や東日笠層特有の性質を用いておよその関係を知ることができる．それによると，東日笠層は分布の東半では鍵層U9以上の梅ヶ瀬層に，西半では鍵層U9以下の梅ヶ瀬層と大田代層に対応する．"},{"type":"paragraph","text":"以下に述べるように，東日笠層と周囲の地層の間には，著しい浸食現象が見られるが，それは海底におけるturbidity currentsによる浸食の結果で，不整合現象ではない．"},{"type":"section-title","text":"岩相"},{"type":"paragraph","text":"東日笠層の立体形は，長軸がENE-WSW方向に伸びた谷を堆積物が充填したような形状である．この谷地形（芹向斜）の底と南及び北側の側壁に当たる部分では，東日笠層下位の地層が深く浸食され，谷状に抉られている様子が観察される．このことから，東日笠層堆積時の海底に実際に谷が存在し，その谷を埋め立てるように堆積作用が進行したことが分かる．佐藤・小池（1957）は，この谷を東日笠化石海底谷と名付けた（本論文では東日笠海底谷とする）．現在の東日笠層の最も高い位置から谷底までの高さは200mを越える．但し，これは後述するように必ずしも東日笠層堆積時に存在した谷の深さに対応するものではない．"},{"type":"paragraph","text":"東日笠層の基底に接する下位の地層は西から東へ，黄和田層（横山，山脇），大田代層（東大和田の湊川河床），梅ヶ瀬層中部（西日笠の小糸川河床）というように次第に上位の地層になる．すなわち，谷の浸食の及ぶ深さは東に向かって次第に浅くなっている．"},{"type":"paragraph","text":"東日笠層は，その大部分が厚いタービダイト砂岩からなり，泥岩を含まない．他に，スランプ堆積層が東日笠層の中部に1層存在するのみである．なお，佐藤・小池（1957）が東日笠層の基底に位置付けたスランプ堆積層は，東日笠層のものではなく，下位の黄和田層や大田代層中のものである．"},{"type":"paragraph","text":"タービダイト砂岩は，厚さ1.5～4mのものが多いが，とくに厚いものでは10～15mに達する（第4.13図）．砂岩は正級化を示し，下部は粗粒砂岩～礫質砂岩，上部は中粒砂岩からなる．下部の礫質砂岩は，中礫サイズの円礫を多く含むことが多く，良好な骨材資源となる．横山及び東大和田・高溝から芹付近にかけて分布する東日笠層が採掘対象となっていて，いくつかの砂取場がある（第8.1図）．"},{"type":"paragraph","text":"タービダイト砂岩の下部から中部にかけて，泥岩の偽礫が多く含まれる．泥岩偽礫は中粒～粗粒泥岩で，10～50cmのものが多い．とくに大きいものは，70～80cmに達する．これらの泥岩偽礫は，上流側に存在した泥岩層がturbidity currentsによって削剥され，下流に運ばれてきたものである．"},{"type":"paragraph","text":"タービダイト砂岩層基底の浸食は，東日笠層に普通に見られる（第4.13図）．下位にある砂岩層を深さ1～5mにわたってチャネル状に削る例も珍しくない．チャネル状浸食に加えて，ステップ状に下位の砂岩層を浸食することもしばしばある（第4.13図の1）．高溝北の尾根上では，大規模な山砂の採掘が行われ，東日笠層や東日笠海底谷の断面，谷の南側の側壁と東日笠層タービダイト層との関係などを観察することができる．第4.13図の2と3には，その様子を断面と平面図（ルートマップ）に示している．谷の南側の側壁は主に中粒～粗粒の泥岩で，厚さ1～5cmの細粒タービダイト砂岩と凝灰岩層が挟まれる．凝灰岩層には，梅ヶ瀬層中部の鍵層U9が存在する．U9とともに側壁を構成する地層はステップ状に浸食され，東日笠層のタービダイト砂岩と接している．"},{"type":"paragraph","text":"浸食によって生じたステップは，1段の高さが2～4m，幅は3～5mである．図から分かるように，ステップ1段に1層の厚いタービダイト砂岩層が対応している．すなわち，厚いタービダイト砂岩を運んできた1回のturbidity currentが，その強い側方浸食力によって，ひとつのステップを削り込んだのである．削り取られた側壁は，泥岩偽礫となって下流に堆積したと考えられる．このような厚いタービダイト砂岩の堆積と浸食作用のセットは，浸食による谷の形成とタービダイト砂岩の堆積・谷の充填が同時進行的に起きたことを示している．"},{"type":"paragraph","text":"なお，南側の側壁において浸食され東日笠層と接している梅ヶ瀬層の層準は，高溝の北ではU9層準であるが，東の宇藤原の北でU8層準，船塚付近でU7層準というように，東に向かって次第に上の層準になる．これは前記の東日笠層の基底に接する層準が東に向かって上位の層準になることと調和的である．"},{"type":"paragraph","text":"東日笠海底谷の北側側壁は，新田の付近で観察できる．東日笠層は大田代層の上にあり，その境界は南側側壁とは異なり，大田代層の層理に緩やかに斜交して，大田代層を浸食している．浸食は大田代層の凝灰岩鍵層O11の3.5m上まで及んでいる．"},{"type":"paragraph","text":"スランプ堆積層は，東日笠層の中部に1層認められる．厚さ4～9mの含礫泥岩を主とするものであるが，上部が流状シルト岩となっている．含まれる礫は，0.5～5cmの円礫である．含礫泥岩層の中間に厚さ1mの砂岩層を挟む場所もある．苗割付近ではスランプ堆積層の下位に，薄く剥離するシルト層が存在する．スランプ堆積層の分布は苗割から南西へ芹林道，田倉の南を経て高溝の北で芹向斜の軸部に達する．この間で，その分布は東日笠層を斜めに横断する形となり，東日笠層を東西あるいは上下に分けている．"},{"type":"paragraph","text":"東日笠層とその北側に接する梅ヶ瀬層の関係を調べるため，苗割付近でこのスランプ堆積層の分布を詳しく調べた（第4.14図）．図の破線が東日笠層と梅ヶ瀬層の境界である．南側の東日笠層が，厚いタービダイト砂岩からなるのに対して，北側の梅ヶ瀬層は苗割付近では泥岩を主とする地層（上部）と砂泥互層（下部）からなる．この間に凝灰岩鍵層U8～U9とスランプ堆積層が存在する．このうち，U9は砂泥互層の中にある（第4.16図）．砂泥互層は，厚さ1～100cmの細粒～粗粒タービダイト砂岩を含み，やや砂勝ちである．泥岩は厚さ5～65cmで中粒～粗粒泥岩である．この砂泥互層の直下にスランプ堆積層が存在する．"},{"type":"paragraph","text":"U9とスランプ堆積層は，連続的な露頭を東日笠層との境界まで追跡され，境界に至ってU9は東日笠層によって浸食され分布を断ち切られる．一方，U9の下のスランプ堆積層はそのまま境界を越えて東日笠層側へ連続して分布している．梅ヶ瀬層側のスランプ堆積層の下位にも薄く剥離するシルト層が存在し，その他の特徴も東日笠層中のスランプ堆積層の特徴に一致している．両側のものが同一のスランプ堆積層であることは間違いない．"},{"type":"paragraph","text":"東日笠層側に泥岩層や凝灰岩層がないのは，一度堆積したこれらの地層は，その後谷を頻繁に流下した強いturbidity currentsによって全て浸食されたためと考えられる．短期間に厚く堆積したスランプ堆積層のみが浸食を免れることができた．"},{"type":"paragraph","text":"一方，梅ヶ瀬層側のU9を挟む砂泥互層中のタービダイト砂岩は，東日笠海底谷をオーバーフローしたturbidity currentsから堆積したものとみなされる．砂勝ち砂泥互層は，苗割付近では，スランプ堆積層の上にあるが，西の田倉付近ではスランプ堆積層の下に厚さ20～100cmのタービダイト砂岩と厚さ1～30cmの泥岩からなる砂勝ち互層が存在し，この砂泥互層が南側の東日笠層と接している．スランプ堆積層の上は泥勝ち互層となっているので，砂勝ち互層は田倉付近では，下に移ったことになる．この傾向は更に西側の東大和田付近まで見られるので，全体としては，北側側壁からオーバーフローしたタービダイト砂岩の出現は，東に向かって次第に上位の層準に移ったことになる．"},{"type":"paragraph","text":"以上に述べたように，東日笠海底谷の側壁付近の状況は北側と南側で相違している．このような違いは，南側の側壁では谷の下部を，北側の側壁では谷の上部を見ていることによると考えられる．スランプ堆積層は鍵層U9の近くにあるので，東日笠層はこのスランプ堆積層を境に，東側が梅ヶ瀬層のU9より上位の地層に，西側がU9の下位層に相当することになる．"},{"type":"paragraph","text":"前記のように，高溝北の南側壁には（谷の外側に当たる），鍵層U9が存在しているが，その北側の東日笠層中（谷の内側に当たる）に上記のU9直下のスランプ堆積層が近接して存在する．両者の標高差は約30mある．谷の内側にあるスランプ堆積層は，芹向斜の軸部付近にあるので，この標高差はおおまかにU9堆積時の東日笠海底谷の底から谷の上までの高度差とみなされる．すなわち，堆積時の谷の深さは約30mあったことになる．"},{"type":"paragraph","text":"東日笠層の作る谷地形に関しては，それを東日笠層堆積時の海底谷やチャネルとする研究が古くからなされている（佐藤・小池，1957；Yamauchi et al., 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currentsによる浸食の結果で，不整合"}},{"type":"correlates","type_jp":"対比","with_unit_name":"下位層","with_unit_id":null,"text":"以上に述べたように，東日笠海底谷の側壁付近の状況は北側と南側で相違している．このような違いは，南側の側壁では谷の下部を，北側の側壁では谷の上部を見ていることによると考えられる．スランプ堆積層は鍵層U9の近くにあるので，東日笠層はこのスランプ堆積層を境に，東側が梅ヶ瀬層のU9より上位の地層に，西側がU9の下位層に相当することになる．","source_block_index":25,"confidence":0.73,"evidence":{"text":"下位層に相当する"}},{"type":"correlates","type_jp":"対比","with_unit_name":"地層","with_unit_id":null,"text":"なお，岩相の記載で述べたように，東日笠層の上部は，梅ヶ瀬層の鍵層U9以上の地層に，下部はU9以下の地層に対比される．次項で述べる梅ヶ瀬層のタービダイト砂岩の分布から考えると，東日笠層上部は，富津地域の中では梅ヶ瀬層の鍵層U6層準まで含むと考えられる．東日笠層下部については，黄和田層より上位の地層であることは間違いない．おそらく，大田代層の多くが東日笠層下部に対比されると思われる．","source_block_index":38,"confidence":0.75,"evidence":{"text":"地層に対比される"}}],"figures_count":2,"tables_count":0,"provenance":{"xml_url":"https://gbank.gsj.jp/ld/zfk/xmldata/1014_BITS.xml","sec_id":"sec-4-5","xpath":"//*[@id='sec-4-5']","generated_at":"2026-09-07T09:50:21+09:00"}},"derived_keywords":[{"@type":"Lithology","label":"凝灰岩"},{"@type":"Lithology","label":"砂岩"},{"@type":"Lithology","label":"泥岩"},{"@type":"Structure","label":"タービダイト"},{"@type":"Structure","label":"層理"}],"linkData":[{"category":"wasDerivedFrom","type":"text/html","@id":"https://cdn.gsj.jp/ld/zfk/zfkdoc/1014/1014.html","label":"図幅説明書 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