1.「火成岩シリーズ」15試料のうち,主成分で不均質が認められたのはJA-2
中のMgOのみであった。
2.「堆積岩シリーズ」9試料中の主成分では、不均質が認められたのはJLs-1
中のMnO,MgO,Na2O,JSl-1 中のCaO, JSl-中のMnO,
CaOの6成分であった。
3.主成分で不均質があった試料では微量成分にも不均質があったが、不均質
のなかった試料では微量成分も不均質はなかった。
4.同一びん内及び同一split内の試料におけるデータのばらつきは小さく、不均質の原因はsplit間の組成の違いによる。
寺島滋,岡井貴司,安藤厚,伊藤司郎
「地質調査所作製の岩石標準試料の不均質性」地質調査所月報,,41,129-138(1990).
1.少量試料(主成分元素5mg,微量成分元素10mg)
2.粉末の粒径はJG-1とJB-1が10ミクロンを越えたが,その他は2.4-9.7ミク
ロンの範囲であった。深成岩で大きく,火山岩で小さい。
3.主成分元素については,試料100mgを採取したときのRSD(相対標準偏差)
は1.2%,10mgで3.3%,5mg で7.5%であった。
4.火山岩より深成岩でRSDが大きい。JG-1とJG-1aのMnOのRSDが大きい。
5.粒径の小さいJG-1a,JB-1aとJG-1,JB-1で顕著な差は認められなかった。造岩鉱物の違いの方が大きい。JG-1とJG-1aの黒雲母の粒径は大差ない。
6.微量成分元素は,試料100mgで18%以下,10mgで26%以下であった。(微量
成分29元素)
7.火山岩より深成岩でRSDが大きく,Ni,Cu,Zr,Mo,Nd,Th,UのRSDが大きい。
8.JB-1のMoのRSDが大きい。
寺島滋,今井登,御子柴真澄
「少量岩石標準試料の分析における試料の不均質に由来する分析誤差の検討」
,分析化学,44, 969-969 (1995).